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現条件では進出環境として厳しい えびの高原の宿泊施設誘致

■ 民間事業者との対話結果を公表

 環境省九州地方環境事務所と宮崎県、えびの市が連携して進めるえびの高原への宿泊施設の誘致に関して、実行委員会の事務局を務める宮崎県は、事業者公募に向けた民間事業者との対話結果を公表した。「現条件下ではホテルの進出環境としては厳しい」といった指摘や「魅力を高める他の取り組みを検討してみてはとうか」などの提案があった。

 政府の「明日の日本を支える観光ビジョン」(平成28年3月)に基づき、国立公園の魅力を最大限に引き出す霧島錦江湾国立公園満喫プロジェクトの一環として、霧島錦江湾国立公園の主要拠点であるえびの高原に上質な宿泊施設を誘致するもの。旧えびの高原ホテル跡地(えびの市末永1495番地)の約1.5㌶を対象予定地とする。

 平成30年度中の事業者公募に向けて、前述の3者で組織する実行委員会は、公募条件の整理や公募の際の参考情報として役立てることを目的とした民間事業者との対話を実施。えびの高原全体への波及を見据えた導入施設(宿泊・その他)の考え方、現地の交通アクセス等に対する評価などの各項目について参加者と意見を交わした。

 事業環境に関しては、景観や山岳眺望、野生動物とのふれあいなど、その魅力について高評価を得た一方、「現状の条件下ではホテルの進出環境としては厳しく、誘致にあたってはマーケティングの視点を加えた方が良い」との指摘があった。資金面やアクセス環境の改善等の観点から、行政の協力に対する質問や意見も寄せられた。

 対話の参加者はこのほか、「ホテル建設ありきではなく、えびの高原全体の今後の利用のあり方を考える中で、対象予定地の活用方針を考えていくべきではないか」と指摘。「グランピングの誘致や既存施設の改修により、えびの高原の魅力を高めていくといった別の取り組みを検討してみてはどうか」などの提案を行ったという。

 実行委員会では今回の対話結果を踏まえ、あらためて事業環境やえびの高原全体の今後の利用のあり方を整理した上で、宿泊施設以外の別の取り組みを含め、民間事業者に提案してもらえるような取り組みについて協議を重ねていくこととしている。