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設計業務で総合技術監理型を導入 NEXCO西日本

 西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)は、多様な入札契約制度に関する取り組みの一貫として、平成30年4月から新たに「設計業務(総合技術監理型)」を導入する。業務全体を統括する総合技術監理業務と複数の耐震補強設計を同一会社と契約するもの。当初契約以外は随意契約とするため、複数年にわたって安定的な受注が確保できる。

 同社が管轄する高速道路インフラの老朽化対策として、橋梁等の更なる耐震補強設計を発注するにあたり、短期間に膨大な量の設計業務を円滑に施行する必要性が生じている。このため、業務全体を統括する総合技術監理業務と複数の設計業務を一会社に契約し、発注者側の業務マネジメントの一部を設計会社で実施する。

 原則としてプロポーザル方式で事業者を特定し、初弾の耐震補強設計を含む総合技術監理業務の当初契約を締結。その後に発注する耐震補強設計と2年目以降の総合技術監理業務は随意契約とし、当初契約から3年以内に全てを完了させる。個別契約の発注ロット・発注単位・工期は、受発注者間で協議を行った上で発注者が決定する。

 総合技術監理業務では、設計業務全体の設計条件及び設計思想の統括及び監理や工事施工及び事業推進を考慮した最適条件の整理等を実施。設計業務では、対象橋梁に於いて耐震性能照査を行い、その結果を踏まえ、耐震補強が必要な橋梁を選定。耐震補強が必要な橋梁を対象として耐震補強設計を実施する。

 総合技術監理業務の統括管理技術者の手持ち業務量は、当初の設計業務と全体の統括等に要する費用のみとし、随意契約する設計業務は各業務で配置する管理技術者の手持ち業務量となる。同制度では、設計業務の管理技術者に若手技術者を配置することが可能であり、当該業務を実績に他業務等の管理技術者として入札に参加できる。

 同社ではこのほか、▽設計業務の個別契約に関して、受注者の業務量や技術者数等を考慮し、社内の計画を立案することができる▽当初契約から3年間は安定的な受注が確保できる▽同様な業務の連続となるため、翌年度以降の業務等は効率よく業務を遂行することができる―などのメリットを挙げる。

設計業務(総合技術監理型)の概要