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ICT浚渫工を本格運用 WTO・A等級は発注者指定

 国土交通省は、2018年度から港湾工事でICT活用を拡大する。マルチビームで3次元測量を行うICT浚渫工の本格運用に移行し、WTO・A等級を発注者指定型、B・C等級を施工者希望型で発注する。3次元データを使った施工のICT化を視野にモデル工事も実施する。さらに、ICT活用の対象を構造物にも拡大する。18年度は基礎工(投入・均し)、ブロック据付工(被覆・根固・消波)のモデル工事を実施し、基準類をまとめる。

 ICT浚渫工では、マルチビームを使って3次元起工測量と3次元出来形測量、3次元設計データを使った数量計算などを行う。17年度の試行工事(24件)の成果を踏まえ、3次元測量、数量算出、出来形管理などの要領を改定した上で、18年度から本格運用に踏み切る。

 合わせて、18年度は3次元起工測量で得られた3次元データを活用した施工のICT化も試みる。3次元データを使い、グラブバケットやカッターヘッドの位置、目標浚渫位置をリアルタイムで可視化。オペレーターの誘導や、機器の自動制御などを実現する。18年度にモデル工事を行った上で基準類に施工部分を追加、19年度の試行工事、20年度の本格運用を目指す。

 構造物工事へのICT活用では、18年度に基礎工・ブロック据付工のモデル工事に着手する。マルチビームを使った3次元起工測量、出来形測量に加え、起工測量で得られた3次元データを活用したICT施工の効果を検証する。続く19年度にはモデル工事の対象を本体工(ケーソンなど)にも拡大する。

 また、17年度から実施しているCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)のモデル業務(桟橋設計)の成果を踏まえ、18年度にCIM導入ガイドラインに「港湾編」を追加する。19年度には、試行業務やCIMモデルを活用したモデル工事も実施する。

 このほか、現場事務所でタブレット端末を活用し、工事書類の作成・提出作業の効率化も図る。