国土交通省は3月29日、道路トンネルの点検記録作成を支援するロボット技術の評価結果を公表した。これによると、現場検証を行った全4技術で、写真撮影でひび割れ、うき・剥離などを判読する精度が要求性能を満たすことを確認。2018年度に直轄トンネルの点検で試行導入する。
現場検証を行った4技術は、17年度に供用中のトンネルで「変状写真の撮影」に関する性能をチェックしていた。写真撮影でトンネルのひび割れ、うき・剥離、漏水による変状を判読する精度が要求性能を満たしたことから、直轄事業での試行的な導入に踏み切る。
試行の対象となる点検業務では、トンネルの定期点検の際に追加的にロボット技術を採用。従来の点検結果に加え、ロボット技術による点検結果を3次元モデルで納品するよう求める。納品された3次元モデルは、損傷の抽出と判別を自動化するAI(人工知能)の開発にも役立てる。
また、同省は29日、橋梁点検におけるロボット技術(非破壊検査)の評価結果も公表。ただ、現場検証を行った5技術は要求性能を満たさず、18年度の試行導入は見送る。
現場検証の評価結果を公表した道路トンネル点検記録作成支援ロボットと開発者は次の通り。▽走行型高速3Dトンネル点検システムMIMM-R(ミーム・アール)―パシフィックコンサルタンツ(共同開発者・計測検査、iシステムリサーチ、ウォールナット)▽走行型高精細画像計測システム(トンネルトレーサー)―中外テクノス▽道路性状測定車両イーグル(L&Lシステム)―西日本高速道路エンジニアリング四国▽トンネル覆工コンクリート内部・表面調査システム―三井造船(共同開発者・トノックス)。