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労災防止計画、死亡者15%以上減を目標 厚労省

 厚生労働省は3月19日、「第13次労働災害防止計画」を公示した。計画期間は2018年4月~23年3月までの5年間。第13次計画は「多様で柔軟な働き方を選択する社会への移行が進んでいる」労働環境の変化を指摘。建設業は依然として死亡災害全体の3分の1を占めているとして、第7次計画に引き続き重点業種と位置付け、死亡者数を「17年と比較して22年までに15%以上減少」との目標を掲げた。

 労働者の健康確保を巡る動向と対策の方向性については、社会問題化している過労死がここ数年は700件台で推移していることを指摘。過労死を防止するために長時間労働対策に加えて、職場環境を改善するための取り組みや、労働者が安心してメンタルヘルスの相談を受けられる環境整備の必要性を強調した。

 化学物質による健康障害の現状と対策の方向性については、化学物質の有害性情報の的確な把握や遅発性の健康障害の把握について記述。石綿による健康障害防止対策についても記述した。

 石綿健康障害の防止については、石綿を使用した建築物の解体が2030年頃にピークを迎え、その解体棟数が10万棟まで増加すると予想、対策の強化をうたった。

 特に解体等作業における石綿ばく露防止対策の必要性を強調。▽石綿に関する届出対象の拡大▽石綿使用の有無の調査を行う者の専門性の確保―などについて検討するとともに、▽石綿ばく露措置を講じない施工者への対策の強化▽解体工事などの発注者に求めるばく露防止対策への対応―などについても検討する方針を示した。

 第13次計画は死亡災害の撲滅を目指した対策の推進もうたった。

 建設業が墜落・転落災害などの防止を目的として実施する重点対策5項目(抜粋)は次の通り▽墜落防止用保護具は原則としてフルハーネス型とする▽解体工事における安全対策について検討▽2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の施設工事で、長時間労働の縮減も含めて労災防止対策の徹底▽自然災害で被災した地域の復旧・復興工事での労災防止対策の徹底▽建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画に基づく取り組みの着実かつ計画的な実施。