▲表彰式の模様
国土交通省と国際建設技能振興機構は3月19日、今回が初めてとなる「優秀外国人建設就労者」に対する国交省土地・建設産業局長表彰の表彰式を東京都内で開いた。中国とベトナム、フィリピンから来日し、現場で活躍する5人の技能者を表彰し、日頃の技能や日本語の習得への努力と成果を称えた。
2015年4月から開始した外国人建設就労者受入事業で来日し、現場で働く人の中から、建設技能やコミュニケーションスキルの習得、社会貢献活動などを評価し、5人を表彰した。式には、審査を行った建設産業団体をはじめ、大使館の関係者らが来賓として訪れ受賞者を祝福した。
国交省の鈴木英二郎大臣官房審議官が「今回の受賞を機に一層の技能の向上に努め、現場で働く仲間の目標になってほしい」と祝辞を述べ、表彰状を一人一人に手渡した。
表彰状の授与の後、受賞者と受入企業の代表者がそれぞれスピーチした。
受賞者は「日本の先進的な技術や高い安全管理に加え、チームワークの神髄を学んだ」という感想や、「4年前はお金を稼ぐことが目標だった。しかし今後は、経験を伝え、人の役に立ちたいと思っている」と、これからの抱負などを話していた。
受入企業からは、受賞者の仕事やコミュニケーションに対する積極的な姿勢への評価とともに、「外国人就労者は日本の建設業にとって不可欠な存在になっている」として、一層の規制緩和を求める意見も出た。
また、審査委員長を務めた蟹澤宏剛芝浦工業大学教授が講評を述べ、「世界最先端の日本の専門工事を学んだ人たちが、帰国しても活躍できる場を、日本としてもつくっていくべき」と指摘。国際的な視点に立って、日本にとっても有利な「(人材育成にかかわる)次の手立てを戦略的に考える必要がある」と強調した。