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最優秀者に東京ガスESを特定 県立宮崎病院ES事業

 県立宮崎病院の再整備に関して、新病院に於ける空調用熱源機器等の設計・施工・運転管理・維持保全等を一括して行うエネルギーサービス事業(ES事業)を導入するにあたり、宮崎県病院局は公募型プロポーザル方式で事業者の選定を進めていたが、最優秀者に東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社を特定したと発表した。

 経年に伴う施設の老朽化への対応や狭隘化の解消、災害対応力の強化、診療機能の向上等を目的に、現在の敷地内に病院を全面改築するほか、一部施設は改修して活用する。基本設計段階の施設規模は、鉄骨造(免震構造)地上8階及び塔屋1階、延床面積4万8139m2。施設整備に係る実施設計が日建・コラム設計業務共同企業体で進む。

 一方で、近年の資材費及び人件費の高騰、新病院の延床面積の増床等を背景に建設費が増大したため、病院局は実施設計段階で設計業者とは異なる視点からコスト抑制策の立案及び発注者へのアドバイス等を行うCM(コンストラクション・マネジメント)業務をプラスPMに委託。総額で50億円程度の事業費縮減を目指す。

 新病院に導入するES事業は、建物等のエネルギー使用状況や問題点を把握し、コージェネレーション等の省エネ・省コスト機器をはじめとする設備等を顧客のニーズ(イニシャルコストレス・年間経常費の削減・メンテナンス保証・運転管理)にあわせてコーディネートするもの。事業期間は新病院の完成後15年間を予定する。

 事業者は、新病院の空調用熱源機器等の設計・施工、開院後の病院へのエネルギー供給と機器の運転管理・維持保全を一体的に行い、病院はこれらの対価としてエネルギーサービス料を事業者に支払う。設備に係る建設費の抑制が期待されるほか、省エネルギー化や対象機器の長寿命化、施設管理事務の軽減等が図られる。

 応募者が作成したES事業提案書に基づいて、3月16日にプレゼンテーション及びヒアリングを実施。経済性や信頼性等の各要素を総合的に評価し、最優秀者に同社、次点に西日本環境エネルギー株式会社を選定した。

 今後は同社と協議を進め、ES事業の基本協定を30年4月初旬に締結する。ES事業者の設計期間は4月中旬まで。本体設計事務所との調整を経て、7月から10月にかけて建築物エネルギー消費性能適合性判定作業を行う。工事及び工事監理期間は31年4月から33年10月まで。33年12月頃にES事業に係る契約を締結する。