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一般管理費等率引き上げ 土木工事積算基準を改定

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▲週休2日工事の補正係数

 国土交通省は、土木工事積算基準を改定した。週休2日工事では、現場閉所の状況に応じ、労務費を最大1.05倍、機械経費(賃料)を最大1.04倍とする補正を導入。17年度から実施している現場管理費と共通仮設費の補正係数も引き上げる。一般管理費等率は本社経費の実態を反映し「22.72~7.47%」に引き上げる。工事原価2億円の道路改良工事では、週休2日対応と一般管理費等率の引き上げの合計で、予定価格を5%上昇させる効果があるという。

 週休2日工事の必要経費計上は4月1日以降の入札公告、その他の積算基準は4月1日以降に入札書提出締切日を設ける直轄工事に適用する。

 週休2日工事では、17年度から共通仮設費率を1.02倍、現場管理費率を1.04倍とする補正係数を導入しており、実態を踏まえて補正の率を引き上げる。週休2日による日給月給の技能労働者の賃金低下を抑制するため、労務費にも補正係数を導入する。週休2日で建機のレンタル期間が延びることを踏まえ、機械経費(賃料)も補正する。

 補正は、現場閉所の日数に応じて変動。現場閉所が4週6休相当になると補正の対象となり、4週8休以上の現場閉所では予定価格を4%上昇させる効果がある。

 企業の本支店の必要経費、技術開発費、付加利益を計上する一般管理費等率は15年度以来の引き上げ。試験研究費用が上昇している実態を反映し、工事原価500万円以下で20.29%を22.72%、30億円以上で7.41%を7.47%に引き上げる。2億円の工事で予定価格を1%弱上昇させる。

 積算基準にはこの他、元請け・下請け間の市場取引での実勢価格を適用する市場価格では、調査が困難になった「コンクリートブロック積工」「橋梁塗装工」「構造物とりこわし工」の3工種を廃止し、土木工事標準単価に移行する。土木工事標準歩掛には「張りコンクリート工」と「ガス切断工」の2工種を新設する。「現場吹付法枠工」「鋼管ソイルセメント杭工」「路面清掃工」など7工種の日当たり施工量・労務・資機材は改定する。

 東日本大震災と熊本地震の被災地に適用している復興係数は18年度も継続。合わせて、復興係数を別の災害発生時にも適用できるよう、積算基準に明記する。

■小規模土工に積算区分新設

 国土交通省は、土木工事積算基準の改定で、中小建設業が受注する小規模施工の採算性を改善する。土工(掘削)の積算区分に小規模施工(1万m3未満)の区分を新たに設けることで、ICT施工・従来施工の採算性を改善。ICT土工関連では施工パッケージも改定し、日当たり施工量、労務、資機材などを見直す。

 直轄工事のICT土工では、現場で稼働する全建機の25%をICT建機とみなして積算していたが、ICT建機の使用台数に応じた事後精算を2月から先行して実施。

 これに続き、「5万m3以上」「5万m3未満」の2区分で行っていた土工の積算に「1万m3未満」の区分を新設する。土工は、土量1万m3未満の小規模工事が全体の6割を占めており、小規模工事の実態に沿った積算を可能にする。小規模工事の発注が多い地方自治体にICT土工の導入を促す狙いもある。

 施工パッケージでは、ICT土工関連の「土工(ICT)」と「法面整形工(ICT)」を見直し、日当たり施工量、労務、資機材などを改定する。ICT舗装の「路盤工(ICT)」は、設計値に応じた積算が可能となる標準単価設定方法へと改定する。

 18年度からICT施工を導入する河川浚渫には積算基準を新設。先行したICT土工と同様、ICT建機のリース料(従来建機からの増額分)、ICT建機の初期導入経費などを上乗せする。バックホウ浚渫船(2万m3)の場合、工事費は従来施工の1.1倍程度となる見込みだ。

■交通誘導員、交代要員分も計上

 国土交通省は、土木工事積算基準の改定で、交通誘導警備員の積算方法を見直した。一般交通を規制する現道上の工事で、休憩・休息時の交代要員の人件費と官積算に乖離(かいり)があるため、交代要員も含めた必要人員を計上する形に改める。

 現道上の工事では、交通誘導警備員に割り増し係数を乗じて交代要員の経費を計上している。例えば、昼間勤務の交通誘導警備員を4人配置する場合は、配置人員に割り増し係数1.2倍を乗じるため、必要人数を1日当たり4.8人と積算することになる。

 ただ、実際の現場には交通誘導警備員4人と交代要員1人の合計5人を配置するため、1日当たり0.2人分の乖離(かいり)が生じることになる。4月以降は、現在の割増係数を廃止し、交代要員も含めた必要な配置人数を計上する形に改める。夜間勤務を行う工事では労務費の補正を行う。