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五ヶ瀬高千穂道路の新規事業化「妥当」 社整審九州小委

 社会資本整備審議会道路分科会九州地方小委員会(辰巳浩委員長=福岡大学工学部社会デザイン工学科教授)は3月13日、九州横断自動車道延岡線の県内区間である一般国道218号五ヶ瀬高千穂道路など3路線の新規事業採択時評価を行い、国土交通省九州地方整備局が示した「新規事業化を妥当」とする対応方針案を了承した。計画延長は約9.2㎞で、橋梁10橋やトンネル4箇所、インターチェンジ2箇所などの構造物を含む全体事業費を約470億円と概算する。

 九州横断自動車道延岡線は、熊本県御船町を起点として、宮崎県五ヶ瀬町、高千穂町、延岡市に至る計画延長約95㎞mの高速自動車国道。開通済区間は14.9㎞、事業中区間は26.3㎞(平成30年2月現在)で、熊本県上益城郡山都町~宮崎県西臼杵郡高千穂町、宮崎県西臼杵郡日之影町~延岡市北方町は未事業化区間となっている。

 今回、新規事業採択時評価の対象となった一般国道218号五ヶ瀬高千穂道路は、これまでに計画段階評価を進めてきた九州横断自動車道延岡線(蘇陽~高千穂)の県内区間。五ヶ瀬町~高千穂町に至る延長約9.2㎞の2車線の自動車専用道路として計画する。計画交通量は7200台/日、全体事業費は約470億円を見込む。

 現道は国が定める緊急輸送ルートに指定された南海トラフ地震発生時の重要な支援路線であるが、平面及び縦断線形の厳しい箇所や防災点検要対策箇所が多く存在し、災害に対して脆弱である。線形不良箇所や防災点検要対策箇所等を回避し、災害時の救援活動等に於いても機能する信頼性の高い高速ネットワークを形成する。

 当該路線の整備に伴い、第3次救急医療施設までの救急搬送時間が最大で22分短縮し、60分以内に到達可能なカバー人口が大幅に増加する。また、五ヶ瀬町~高千穂町の移動時間の短縮及び走行性の向上により、東九州道等からの観光圏域が広がり、観光客の増加が期待されるなど、周辺道路と連携した観光振興や地域活性化を支援する。

 路線内の主要構造物として▽橋梁10橋▽トンネル4箇所▽インターチェンジ2箇所―を計画。橋梁に関しては、100m以上の長大橋が5橋、100m未満の中小橋が4橋、跨道橋が1橋。トンネル4箇所の延長を、2430m、350m、1050m、770mと想定する。起点と終点に設けるICは、ダイヤモンド型のハーフICとする。

 一方、道路改良に係る概算工事量は、土工約193万m3(切土約88万m3、盛土約48万m3、トンネルズリ約57万m3)、軟弱地盤改良工約12万m3、法面工約12万m2、排水工約4.6㎞、中央分離帯約9㎞のほか、擁壁工・管渠工・函渠工各一式を計画。車道舗装に関しては、排水性舗装(3万3957m2)を計画する。

 整備効果や費用対便益分析結果を踏まえ、会合では、九州地方整備局が示した「新規事業化は妥当」とする対応方針案を了承。同様に、一般国道34号大村諫早拡幅(長崎県)と一般国道3号岡垣バイパス(福岡県)も新規事業化を妥当とする対応方針案を了承した。計画段階評価を行った中九州横断道路竹田~阿蘇(大分県・熊本県)に関しては、3つのルート帯案等を示した。

五ヶ瀬高千穂道路に係る新規事業採択時評価