公募型プロポーザル方式で「旧平寿園跡地拠点施設建設基本設計業務」の事業者選定を進めていた椎葉村は、技術提案やプレゼン及びヒアリングの結果等を踏まえ、2月26日に開いた審査会で受託候補者に荻原雅史建築設計事務所(東京都中野区)を特定した。契約に向けた協議が詰めの段階にあり、履行保証等の確認が取れれば正式に契約する。
村の人口ビジョン及び総合戦略に基づき、保育環境の充実や新たな仕事の創出、交流人口の増加、村全体のコミュニティの場等の機能を有する地域活性化に向けた拠点施設を、遊休化している旧平寿園跡地(大字下福良、約6300m2)に建設するもの。業務の中では、拠点施設建設に係る基本計画の策定と施設の基本設計を行う。
計画施設の基本方針には、▽村内外の人々が利用してみたいと思い、集うことで交流が生まれ、地域の活性化が図られる施設▽多様な人々の利用を想定し、ユニバーサルデザインの考えを導入し、安心・安全かつ快適に利用できる施設▽財政負担を抑えるための改善や維持管理がしやすく、LCCや環境負担に十分配慮した施設―を掲げる。
新施設にはテレワークが可能な環境整備を必須とするほか、多様な世代・地域の人々が利用できる図書施設を整備する方針でいる。これを踏まえた施設の想定面積は延べ2000m2程度。周辺環境および利用者の利便性に配慮し、階数は2階までとするほか、耐火性・耐久性・耐震性に優れた構造や内外装の木質化を図ることなどを求める。
建設予定地の北側約500m2には、村が保育施設を建設予定であり、当該施設はその残地の範囲内も対象とする。保育施設の園庭は当施設整備の中で公園として整備を行い、共有する想定であることから、他事業として実施する保育施設整備の担当部署や設計受託者と、その共用方法などを含めた協議が必要となる。
施設の導入機能に関しては、村内アンケートや庁内検討会議に於いて、トレーニング施設や温泉施設、ネットカフェ、高齢者生活支援ハウス、コイン精米所、コワーキングスペースなどの様々な意見が寄せられており、今後、住民への公聴会等を開催し、庁内検討委員会で施設整備案の策定を行いながら、基本計画及び基本設計に反映させていく。