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浄化Cに投入施設、し尿処理施設整備で方向性 三股町

 三股町は、経年劣化が進むし尿処理施設「三股町衛生センター」の整備に向けた検討を進めている。諮問機関である三股町衛生センター施設整備検討委員会の答申を踏まえ、現状では下水道施設(中央浄化センター)の敷地内に投入施設を整備する方向性でいるが、町民の意見等を十分に踏また上で、具体的な整備方法等を決定する。

 三股町が管理・運営する三股町衛生センター(計画処理量110㌔㍑/日)は昭和57年に稼働を開始。その後、平成8年度に基幹的設備の更新や計画処理能力の変更を行ったが、下水道の普及による総搬入量の減少やし尿比率の低下に伴い、計画処理量や処理水質に変動等が生じ、施設の運転管理に少なからず影響を及ぼしている。

 また、大半の機器や装置は運転開始当初から稼働しているものであり、一部機器等の老朽化も進んでいることから、施設の延命化、更新、下水道投入など今後の方向性に関して検討を行うため、平成28年6月に「施設整備方針検討書作成等業務」を東和テクノロジーに委託。29年1月に施設整備方針検討書(基本構想)をまとめた。

 検討書では、町を取り巻く汚水処理施設整備の現状や生活排水の処理体系、し尿及び浄化槽汚泥の排出状況と将来的な排出量見込み、既存施設の設備装置の現状や将来的な課題などを整理・分析した上で、①既存施設の延命化②汚泥再生処理センターの新設③下水道投入施設の新設―などの各パターンについて比較・検討を行っている。

 町から諮問を受けた三股町衛生センター施設整備検討委員会(西山繁敏会長)は、これらの施設整備について審議を重ね、木佐貫辰生町長に対して「下水道施設(中央浄化センター)の敷地内に三股町が投入施設を整備する」方向性の答申を行った。

 検討書によると、下水道投入施設の整備パターンは①受入・貯留設備を整備し、し渣等を取り除いて希釈放流する除渣希釈方式②前述の「①」に脱水設備及び凝集沈殿槽を加え、脱水・凝集沈殿して希釈放流する除渣脱水凝集沈殿希釈方式③高度処理設備以外を全て整備し、生物処理を行った後に固液分離して放流する除渣脱水生物学的脱窒素方式―の3パターンを想定している。

 また、下水道投入施設を整備する場合の計画処理量に関しては、三股町のみを対象とした場合で20㌔㍑(必要整備規模24㌔㍑/日)、三股町及び都城市の一部を対象とした場合で46.3㌔㍑/日(同55㌔㍑/日)と想定。これに基づく概算建設費をそれぞれ17億3300万円、7億5600万円と試算している。

 事業スケジュールに関する検討では、既存施設の維持補修を行い、稼働開始後40年目となる平成34年度を新施設の供用開始年度とし、工事期間を仮に3カ年と設定した場合、30年度に発注支援業務(生活環境影響調査・仕様書作成・技術評価等)に着手し、31年度に着工する必要があるとしている。

 町では、下水道施設内に投入施設を建設する計画についての理解を得るため、2月22日に今市児童館、2月25日に第7地区分館で周辺住民を対象とした説明会を開催する予定でいる。今後、施設整備に関する町民の十分な理解を得えた上で、施設の整備パターンやスケジュール等を決定する方向性でいる。