国土交通省は、耐震性の確保を目的に港湾施設のうち民有護岸の定期点検・診断を2年に1度行うことを義務付ける。港湾施設には、最低でも5年に1度の点検・診断が求められているが、災害時に物資輸送の役割を担う「緊急確保航路」に接続する港湾では、民有護岸の点検・診断の頻度を2年に1度に厳格化する。関連する告示を4月1日に施行する。
港湾施設のうち、水域施設、外郭施設、係留施設、臨港交通施設などは、港湾法で定期的に点検・診断を行い、結果を記録・保存することが義務付けられている。点検頻度は最低5年に1度、人命・財産・社会経済活動に重大な影響がある施設は最低3年に1度の実施を求められる。
南海トラフ地震や首都直下地震の切迫性を踏まえ、緊急確保航路が接続する港湾で対応を強化する。具体的には、緊急確保航路に接続する耐震強化岸壁がある港湾で、損壊すると航路に影響を与える民有護岸・岸壁・桟橋の点検・診断の頻度を2年に1度に高める。
同省は全国で5200施設、総延長990㌔に上る民有護岸の耐震化を支援するため、2014年度に耐震改修に対する無利子貸付制度を創設。18年度の税制改正では、耐震改修に関する法人税の特例措置も拡充する。