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ICT土工、事後精算で採算性改善 国交省

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 国土交通省は、ICT土工の採算性を改善するため「ICT活用工事(土工)積算要領」を改定した。これまでは実際のICT建機の使用台数に関わらず、現場で稼働する全建機に対するICT建機の割合を25%とみなして積算していたが、実際に建機を使用した割合に応じた事後精算へと運用を見直す。施工土量の少ない小規模工事で採算が合わないという声を受けた当面の措置。2017年度補正予算の執行を見据え、きょう2月1日以降に入札契約手続きを始める直轄工事に適用する。

 直轄工事では、ICT土工に必要なICT建機のリース料、ICT建機の初期導入経費、3次元データの作成費用を発注者が負担している。建機の使用割合をICT建機25%・通常建機75%とするICT歩掛に施工土量を乗じ、土工分の直接工事費を算出する。

 ただ、実際のICT建機の使用割合は積算上の25%よりも高い傾向にあり、特に使用する建機が少ない小規模工事でその傾向が強くなる。例えば、全建機の使用台数が1台の現場にICT建機を投入すれば、建機の使用割合は100%になり、受注者側の負担は重くなる。

 1日以降に入札契約手続きを開始する工事では、現場に投入したICT建機の使用割合に応じ、変更積算で発注者が費用を負担するようになる。発注者は「受注者希望型」「発注者指定型」を問わず、入札段階ではICT建機の使用割合を25%で積算するが、現場で使用したICT建機の割合が25%を超えれば、受注者の申請に応じて事後精算で必要経費を支払う。

 小規模工事の採算性を改善することで、地方自治体にもICT土工の導入を促し、ひいては中小建設業にICT土工を普及させる狙いがある。同省では、ICT土工の積算基準をさらに改善するほか、ICT施工の未経験企業に対して3次元データを発注者が無償提供することなども検討している。