▲写真は会合の模様
国土交通省は1月31日、介護や子育ての負担を軽減する下水道への紙オムツの受け入れに向けて、第1回「下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」(座長・森田弘昭日本大学生産工学部教授)を開き、システムのイメージとともに、紙オムツの分解装置や宅内配管などの民間による技術開発を促進する方針を示した。
システムとしては、使用済みの紙オムツを前処理・分解後、専用の宅内配管を通じて下水道に受け入れることを想定している。手順は①トイレなどの個室内に設置した投入口への紙オムツの投入②下水道に影響を及ぼさないための分解装置による前処理・分解③専用の宅内配管システムを通じた公共下水道への受け入れ―となる。
同検討会は、技術的・制度的課題や下水道の受け入れ条件などについて審議する。そして、民間事業者の技術開発の目標や、自治体による導入検討の基礎資料になる「下水道への紙オムツ受入のためのガイドライン(案)」をまとめる。ガイドラインの策定・公表までに今後5年程度を見込んでいる。その間、民間事業者の技術開発も誘導する。
国交省では、想定される技術開発として▽紙オムツの改良▽高分子吸水材などの前処理技術の開発▽紙オムツ分解装置の開発▽紙オムツ用宅内配管システムの開発―などを示した。
また、取り組みのメリットとして要介護者・高齢者の精神的負担の軽減や、在宅介護世帯や介護施設、子育て世帯の労力の軽減をはじめ、衛生面の改善などを挙げた。
第1回検討会であいさつした森田座長は「日本の下水道は伝染病予防や公害対策、資源利用を経て、多分野に連携する新しい時代に入った」と述べた。