日南市にサテライトオフィスを開設する株式会社ダンドリワークス(加賀爪宏介CEO、滋賀県草津市)は、既存施設を改修する新オフィス設計コンペの最終結果を発表した。最優秀賞に入江京さん(アリイイリエアーキテクツ・フォルムデザイン一央株式会社設計JV)が提案した作品「アーケードの中のオフィスになること」を選んだ。
アナログでムリ・ムダ・ムラが多い建築業界において、作業の重複や漏れを改善するため、同社はICT技術を活用したクラウドコミュニケーションサービス「ダンドリワーク」を展開。その開発や運営を担うオフィスを油津商店街に開設するにあたり、「自然と商店街に溶け込み人々が集うオフィス空間」を実現できる提案を求めていた。
設計コンペには全国から97件の応募があり、審査基準を上回った4者が1次審査を通過。1月20日に油津商店街で行われたプレゼンテ・ヒアリングで、ITベンチャーだからこそできる新しい働き方や企業価値を上げられるようなオフィス環境、来訪者との魅力的な交流を創出できる空間や機能等を審査委員に提案した。
最優秀賞に選ばれた入江さんは、1階を街のリビングと位置付け、屋根付き外部空間を敷地の中に最大化することで、誰に対してもフレンドリーな場所を提案した。ポーチ・リビングルーム・会議室を配置し、オフィスからも街からも等しくアクセスできる一方、来客時の打ち合わせには会議室とリビングルームを一体的に利用できる。
2階には2面のワークロッジフロアを設け、日南の温暖な気候を生かした開放的な半屋外の執務スペースとする。ロッジ空間はL形の平面となっており、時間帯に応じて心地よい場所を選ぶことができるなど、自由な働き方が生まれる空間を創造する。1階をオフィスがある2階から独立させることで、セキュリティ上も管理しやすくする。
設計コンペではこのほか、優秀賞に勝亦優佑さん(株式会社勝亦丸山建築計画)と後藤智揮さん(後藤組設計室)を選んだ。最優秀賞には賞金30万円、優秀賞には10万円が贈られる。各作品の提案内容は設計コンペの専用キャンペーンサイトhttps://compe.dandoli-works.co.jp/で閲覧できる。
最優秀賞の提案者は当該事業の基本・実施設計、施工監理及び改修工事に参画する。施設規模は鉄骨ラーメン造3階建延べ約338m2。事業期間は30年5月。