国土交通省は、1月29日に開いた「建設技能者の能力評価のあり方に関する検討会」に、建設キャリアアップシステムを活用した能力評価制度の大枠を提案した。これによると、国交省が評価制度のガイドラインを示した上で、専門工事業団体が職種ごとに評価基準を策定。各団体は、就業日数と保有資格に応じ、技能者のレベルを4段階で評価する。同省は3月にまとめる中間報告で能力評価制度の方向性を示す。
能力評価制度では、建設キャリアアップシステムに蓄積される技能者の就業履歴と保有資格を活用し、技能者の技能レベルを評価する。技能者に配布するシステムのICカードは技能レベルに応じて色分けする。
制度構築には、技能者の技能が処遇に適正に反映される環境を整えるとともに、評価の高い技能者を雇用する専門工事企業の施工能力を明らかにする狙いがある。
29日の会合では、システムで客観的に把握できる就業日数と保有資格をポイント化し、ポイントに応じて技能レベルを4段階(レベル1~4)で評価する方針を確認。ポイントだけでなく、レベルアップする際に資格取得を要件化する評価手法も提案した。レベル3の条件には、職長としての経験年数に加え、1級技能検定の保有を求めることを検討する。
制度のスキームは、登録機関技能者制度を参考に検討する。国交省が策定するガイドラインには評価制度の大枠を定め、このガイドラインに沿って専門工事業団体が職種特性を踏まえた評価基準を定める。技能者は各団体に評価を申請し、技能レベルを付与される流れとなる。
国交省は3月中に検討会の中間報告をまとめる。4月以降、技能者の能力評価を評価項目の一つとする専門工事企業の評価制度の検討にも着手する。いずれの制度も来夏には制度の枠組みを固める方針だ。