日本測量協会(日測協、矢口彰会長)は1月31日、測量・地理空間情報分野の技術者や企業経営者、管理者などを対象とした「実務者のためのUAV利活用セミナー」を開いた。定員いっぱいの約300人が同協会認定講師の講義を受講。UAV測量やレーザ計測、三次元点群データ利活用技術など、CIMやBIMをはじめとするi-Constructionや、測量・地理空間情報分野の業務に不可欠な最新の技術情報を学んだ。
同協会の瀬戸島政博専務理事は「UAVの利活用の進展とi-Conなどに代表される現代の潮流があいまって、これまで航空(航測)と地上(実測)とに仕分けされていたこれまでの測量の業態が崩れてきた」と指摘。「急速な技術の進化がこれまでの測量の業務領域を“測量調査”へと拡大させている。レーザや熱赤外線カメラ(サーモカメラ)など多様なUAV搭載センサの登場によって、UAVリモートセンシングの実現が近づいてきた」との見方を示した。
その上で、「UAVの導入状況はあたかも日本に鉄砲が伝来してきた時の様相を呈している」とも述べ、「鉄砲が伝来してから約30年後に起こった“長篠の戦い”では3000挺の鉄砲が使われ、勝敗を決した。UAVも鉄砲と同じで、最新の技術動向を把握し、応用・利活用で勝負する時期を迎えている」と話し、会場を埋めた聴講者を激励した。
この日のセミナーでは、5人の日測協認定講師がUAVの利活用をめぐる官民の動向と、測量・地理空間情報分野の業務領域の拡大や、方向性を見据えた課題などについて概説。UAVと周辺技術の最新動向とともに、実際の活用事例に基づいた改善点などについても解説した。
日測協は、この日の東京会場を皮切りに17年度は仙台、大阪、福岡、札幌―の4都市でも実務者のためのUAV利活用セミナーを開く。さらに、18年度はこの日収録した講義の映像を活用したセミナーを全国の地方都市でも開講することにしている。