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設計・工事監理、標準業務量を調査 報酬基準に反映

 国土交通省はきょう2月26日から、建築設計、工事監理の業務報酬基準(告示15号)改正に向け、建築士事務所など約1400社に対する実態調査を開始する。2009年1月以降に完成した建築物の設計・工事監理を対象として、標準業務量の実態を把握し、業務報酬基準の改正に反映する。4月27日までに回答を求め、今夏にまとめる改正案の基礎データとして活用する。

 業務報酬基準は、建築士事務所が請求できる設計・工事監理業務の報酬額を算出するために使用する。改正を検討しているのは、建物の用途・規模別の標準業務量から報酬額を算出する「略算方法」。基準と業務の現状に乖離(かいり)が生じていることから、業務量の実態に応じた適正な報酬を得られるよう、18年度中に基準を改正する。

 実態調査は、建築士法に基づいて都道府県に登録している建築士事務所・ゼネコンなど約1400社を対象とし、26日に調査の実施要領を送付する。専用サイトを立ち上げ、ウェブ上での回答を求める。

 具体的には、現行の業務報酬基準が策定された09年1月7日以降に完成した新築・別棟増築の設計業務(総合、構造、設備)を対象に、プロジェクト単位で設計・工事監理の業務量を回答してもらう。再委託によって一部の業務を受託した場合も回答の対象となるが、構造計算のみを受託したり、電気設備の設計のみを受託した場合は回答の対象から外す。

 回答を求めるのは、業務報酬基準で示す標準業務の業務量で、実施要領に添付する標準外業務に該当する業務は除外。業務量は、担当した建築士の技術レベルに応じ、換算率を乗じて算出。補助員が従事した業務は、実際に従事した業務時間に0.5を乗じて業務量を算出する。

 国交省は、実態調査の結果を踏まえ、業務報酬基準の略算表を見直す。この他、基本設計の業務量が増加していることを踏まえ、基本設計・実施設計・意図伝達の業務量の比率を目安として示すことも検討している。今夏の中央建築士審査会で改正案を審議した上で、18年度中に基準を改正する見通しだ。