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富高小学校改築工事費など計上 日向市の30年度当初予算案

 日向市は16日、一般会計予算額を295億6000万円とする平成30年度当初予算案の概要を発表した。一般会計は対前年度比で20億4000万円(6.5%)の減額となる。一般会計のうち公共事業関係費を含む投資的経費は41億5137万円。富高小改築工事費や細島小改築設計費等を計上したが、新庁舎建設事業費が大幅減となったため、対前年度比で24億1597万円(36.8%)の大幅減となった。

 日向市の平成30年度当初予算案は、元気で活力あふれるまちづくりを目指し、平成28年度に策定した第2次日向市総合計画に掲げる▽未来へつなげる人づくり戦略▽活力を生み出すにぎわいづくり戦略▽笑顔で暮らせるまちづくり戦略―の3つの重点戦略、及び「元気な日向市未来創造戦略」に掲げる各施策を推進していく。

 一方で、限られた経営資源を効果的・効率的に活用するため、多様化する市民ニーズの的確な把握に努めながら事業の選択と集中を図るとともに、行政・企業・市民がその役割分担を明確にし、より効果的・効率的な行財政運営を推進する。

 一般会計予算額は295億6000万円で対前年度比6.5%の減額。また、国民健康保険や簡易水道、農集排等を含む特別会計に139億3230万円(同14.1%減)、水道や下水道を含む企業会計に49億5937万円(同3.5%増)を計上し、予算全体の規模は484億5167万円(同7.9%減)となる。

 一般会計を性質別に見ると、公共事業費等を含む投資的経費は、新庁舎建設事業費を減額したことから、対前年度比36.8%減の41億5137万円となった。内訳は、普通建設事業費が40億8922万円(補助26億8059万円、単独14億0863万円)で同37.1%減、災害復旧費が前年と概ね同額の6215万円。

 当初予算案における主な建設関連事業では、富高小学校改築事業に係る建設工事費等に3億7900万円、細島小学校改築事業に係る基本計画・設計費に1700万円、地震・津波防災施設整備事業に4億7500万円、消防署南分遣所建設事業に係る地質調査及び基本設計に750万円、新庁舎建設事業に5億3314万円を計上している。

■主要事業概要

日向市の平成30年度当初予算案における主要事業の概要は次のとおり(関係分のみ、数字は事業費、単位=千円)。

*未来へつなげる人づくり戦略
▽学校ICT環境整備事業(小・中学校)
30,400
学校ICT環境の整備を年次的に推進し、児童生徒の学習環境や学力の向上を図ると共に、校務の効率化を図り、児童生徒の実態に応じた指導を行う。事業内容=デスクトップPCからタブレット型PCへの年次的な更新、校務支援システムの運用
▽教育施設整備事業(小・中学校)
9,900
老朽化している市内小中学校の施設改修を行い、教育環境の改善を図る。事業内容=遊具改修工事(小学校)、トイレ洋式化工事(小・中学校)
▽富高小学校改築事業
379,000
危険校舎を改築することにより耐震性の向上及び安全で安心な学校施設の環境整備を図る。事業内容=管理特別教室棟の建替、事業期間=29年度~30年度、30年度=整備工事
▽(新)細島小学校改築事業
17,000
老朽化した校舎の改築にあたり、周辺施設との複合化に取り組み、安全で安心な学校施設の整備を図る。事業内容=校舎を含めた複合施設の整備、事業期間=30年度~33年度、30年度=基本計画・設計、31年度=実施設計、32年度以降=整備工事
▽文化財の保存と活用に要する経費
2,805
指定文化財等の適切な維持・管理を行うとともに、埋蔵文化財の調査を行い、その保存及び活用を図る。事業内容=国の天然記念物に指定された「日向岬の柱状節理」における看板等の整備、市指定文化財や県指定史跡・天然記念物等の維持管理・保護等

*活力を生み出すにぎわいづくり戦略
▽林業成長産業化地域創出モデル事業
5,515
国のモデル事業を活用し、林業・木材産業の育成を図るとともに、森林の保全や資源循環型林業システムの構築を図る。事業内容=木材シンポジウムの開催、素材生産量の増加に対応した再造林対策における担い手確保の支援等
▽観光拠点施設整備事業
36,000
日豊海岸国定公園日向岬や伊勢ヶ浜門前まちなどのスピリチュアルスポットなど、市全域に分布する多様な資源を活かして、アピール力の高い魅力ある観光拠点づくりを推進する。事業内容=伊勢ヶ浜門前まち観光拠点化(観光施設公衆トイレ整備)

*笑顔で暮らせるまちづくり戦略
▽地震・津波防災施設整備事業
475,000
防災施設の整備充実を行うことにより、防災力を向上させ、市民の安全・安心を確保する。財光寺地区津波避難施設整備=往還2号津波避難タワー、切島山2区津波避難山、松原区津波避難山、平岩地区津波避難施設整備=美砂地区津波避難タワー、自治会及び自主防災会が行う津波避難経路整備に対する助成
▽災害予防対策事業
6,256
あらゆる自然災害に対して事前の備えを確立することにより、安全・安心なまちづくりを推進する。事業内容=備蓄計画に基づく災害対策備蓄品の整備、市町村広域災害ネットワークの取組及び災害時応援協定締結の推進
▽防災情報収集・伝達事業
11,922
気象情報等の収集や市民への情報伝達システムを運用し、的確な避難情報等を発令する。事業内容=音声合成ソフトを利用した防災情報伝達システムの構築、同報系防災行政無線・水防対策支援システム等の運用
▽(新)日向市消防署南分遣所建設事業
7,500
国道10号線沿いにある消防南分遣所を旧幸脇小学校グラウンドへ移転し、南部地域の消防・救急体制の充実を図る。事業内容=旧幸脇小学校用地の地質調査及び基本設計
▽(新)地域密着型サービス等整備助成事業、介護施設等の施設開設準備経費等支援事業
75,178
新たな介護サービス事業所の施設整備や開設に伴う体制整備に対して経費助成を行うことにより、高齢者が住み慣れた地域で日常生活を続けることができる環境の整備を図る。事業内容=小規模多機能型居宅介護事業所2箇所(30年度開設予定)
▽(新)全国高等学校総合体育大会南部九州大会推進事業
13,588
31年度開催の全国高等学校総合体育大会南部九州大会(男女ソフトボール競技)に向けて受入準備を行う。事業内容=高校総体南部九州大会実行委員会設置、お倉ケ浜総合公園運動広場のダッグアウト・トイレ等改修
▽保育所等整備事業
110,055
老朽化による保育環境整備(施設整備)に要する費用の一部を補助することにより、安全確保と保育の継続確保を図る。事業内容=社会福祉法人中原愛育会中原乳児保育園(定員45人)の施設整備費助成

*その他
▽新庁舎建設事業
533,148
新庁舎の整備を行い、防災拠点施設としての機能強化を図ることはもとより、住民サービスの更なる向上や機能の高度化を図る。事業内容=現庁舎解体工事・外構整備工事等、樹木移植業務・廃棄物収集運搬処分業務等
▽財光寺南土地区画整理事業
890,000
公共施設の体系的な整備改善を行い、民有空間との一体的な景観形成等の取り組みにより、安心・安全な住環境の形成を図る。事業内容=建物調査30棟、家屋・工作物移転補償33戸48棟、宅地造成2万2000m2、道路舗装5000m2、排水工1700m
▽駅周辺土地区画整理事業
329,400
公共施設の整備改善とあわせ、土地の高度利用の促進、商店街の再構築を行うことにより、賑わいのある中心市街地の創出を図る。事業内容=建物調査等5棟、建物等移転補償3戸9棟、排水工60m、舗装3800m2、区画線1550m、縁石工130m
▽お倉ヶ浜総合公園整備事業
74,000
市民のスポーツ振興と健康増進を目的に、施設利用者ニーズに応えられる都市公園施設の充実を図るとともに、31年度の全国高校総体開催に向けた整備を行う。事業内容=芝生広場の整備(芝舗装・クレイ舗装・園路舗装など)
▽富島幹線用水路整備事業
20,000
富島第4期事業により機能保全計画に基づき補修・補強工事を行い、農業用水及び生活用水の安全かつ安定的な水資源の確保を図る。<4期事業概要>事業期間=30年度~34年度、総事業費=5億2400万円、30年度=補修に向けた測量設計
▽(新)農業地域防災減災事業
30,700
防災重点ため池においてハザードマップの作成等を行い、地域の防災意識を高めるとともに、地震や豪雨による被害の軽減を図る。事業内容=防災重点ため池のハザードマップの作成及び耐震診断(下拂1・2号ため池、寺迫上・下ため池、内の口ため池)
▽日向市空家等対策推進事業
6,771
防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす空家等に関し、必要な措置を実施し、その活用、除却を計画的に推進する。事業内容=日向市空家等対策推進事業(危険空家除却)補助、危険空家の除却に要する費用の一部補助
▽(新)市営住宅における指定管理者制度の導入
4,210
指定管理者制度の導入により、入居を希望する市民へのサービス向上を図るとともに、市営住宅の効果的かつ安心・安全な維持管理を図る。事業内容=31年度からの指定管理者制度導入に向けた諸準備
▽(新)議会中継に要する経費
2,354
本会議のインターネット配信により、市民の利便性の向上や議会の情報発信機能の充実を図り、市民に開かれた議会を構築する。事業内容=新庁舎供用に伴う議会のインターネット映像配信システム導入

【おわり】

当初予算案の概要