次期中心市街地活性化計画「まちなか活性化推進計画」の策定を進める宮崎市は、1月29日に開いた中心市街地まちづくり推進委員会で素案のたたき台を示した。設定区域は橘通りや高千穂通りを中心とする162㌶で、計画期間は平成30年度から34年度までの5年間。「働く、住む、訪れる魅力をみんなで育むまちづくり」を基本理念に掲げ、ゾーニングしたエリア毎に、将来像の実現に向けた各種施策に取り組む。
平成25年に策定した現在の宮崎市中心市街地まちづくり推進プラン(中活計画)が29年度に計画期間を終えることから、現プランの振り返りと次期計画策定を公民連携で行うため、市は昨年度に宮崎市中心市街地まちづくり推進委員会(豊島美敏委員長=宮崎商工会議所専務理事、委員25人)を設置。5回目となる今会合では、市が示した次期計画の素案のたたき台について委員が意見を交わした。
たたき台では、設定区域内に於ける事業所や従業者の集積状況、居住人口等を踏まえ、①商業・業務エリア②宿泊・飲食エリア③まちなかのハブエリア④交通結節拠点エリア⑤公務エリア⑥まちなか居住エリア―の6つのエリアと、老朽建築物が多い地区及び市有地(海幸・山幸)を含む再生検討地区にゾーニング。行政主導による従来のコントロール型のまちづくりから、公民連携でまちを育てるマネジメント型のまちづくりに転換する。
基本理念の実現に向けて、クリエイティブ産業を中心とした企業誘致やコワーキングスペースの設置、新たな事業展開に対する支援や雇用創出等に取り組み、産業の集積と創出を図る。企業の成長を促進する環境整備として、民間投資によるオフィスビルの整備や高度なスキルを有する人材の登用に対する支援を行うと共に、地元企業への就職・定着やUIJターンの促進も図る。
まちなか居住環境を充実させるため、空き家や空き店舗等の既存ストックを活用し、商業・業務機能の集積や居住環境の整備を進めると共に、民間活力の導入を前提として、老朽化した民間建築物が集中する地区の対策等を検討する。南海トラフ巨大地震をはじめとする大規模災害に備えた防災・減災対策、子育て世代から高齢者までの多世代に優しい生活環境の整備にも努める。
道路や公園など公共空間を活用したイベントの実施を支援すると共に、多様な機能を有する公共空間の利活用策等について検討を行い、憩い・交流する場の創出を図る。玄関口となる宮崎駅周辺の機能充実や駐輪場・駐車場の有効活用について検討を行うほか、観光スポットであるニシタチの観光資源としての活用、歩きたくなるまちなか環境の形成を促進し、まちなかを訪れる楽しさを創出する。
一方で、各エリア及び地区を繋げる東西・南北のネットワークをまちなかの骨格軸と位置付け、子育て世代から高齢者までが円滑に移動できるバリアフリー等の取り組みを検討すると共に、まちの顔となる通りが繋がるよう、緑化による景観形成やサインの統一化を推進する。
目標の達成状況を客観的に点検・評価するため、昼間人口や夜間人口、中心市街地に於けるクリエイティブ産業の増加数、まちなかの滞在時間、歩行者通行量、バスの年間乗降客数を成果指標として設定する。
宮崎市では、今回を含めてこれまでに5回開いた委員会の協議内容を踏まえた次期計画の素案を近く策定し、2月中旬から3月中旬にかけて素案に対する意見募集(パブリックコメント)や関連団体に対する説明を行う見通し。パブリックコメント等で寄せられた意見を踏まえ、3月末に次期計画を確定する予定でいる。