国土交通省は12月3日、専任の監理技術者と主任技術者が休暇で現場を短期間離れることを「差し支えない」とする通知を公共工事の発注担当部局、建設業許可行政庁、都道府県、建設業団体に送った。建設業法における専任の解釈を明確にし、専任制が主任技術者と監理技術者の休暇取得を妨げないようにする。必要な資格のある代理の技術者を配置すれば、休暇中に現場に戻り得る体制を確保することを「必ずしも要しない」とも明記した。
建設業法では、請負金額3500万円以上(建築一式7000万円以上)の公共性のある施設や不特定多数が利用する施設などで、主任技術者・監理技術者の専任を求めている。専任制の趣旨は他の現場との「兼任」を認めないことであり、現場代理人などと異なり、もともと現場への「常駐」は求めていない。
ただ、専任制の解釈について、一部の元請け・下請けに誤解があったり、常駐を求める発注者があるとの指摘を受け、国交省は2017年8月、「主任技術者又は監理技術者の『専任』の明確化について」と題した土地・建設産業局建設業課長名の通知を送付。発注者や元請け、上位下請けの了解があることを前提に、専任の技術者が講習・研修・試験などで現場を短期間離れることが法令上容認される、との見解を示していた。
12月3日付の通知は、技術者の働き方改革を推進するため、休暇を取得した専任の技術者が現場を短期間離れることを認めるとの解釈を示したもの。必要な資格のある代理の技術者を配置し、適切な施工ができると判断されれば「現場に戻りうる体制を確保することは必ずしも要しない」とも記載し、技術者の休暇取得を妨げない配慮も求めた。
また、働き方改革とともに、建設業のワーク・ライフ・バランスの推進や、女性活躍を後押しするため、専任の技術者が育児などの目的で現場を「短時間」離れることが可能となるよう、体制を確保することを求めた。