政府の2019年度当初予算案で、地方自治体の防災・減災やインフラの老朽化対策を支援する個別補助制度の創設・拡充が決定した。12月17日に行われた麻生太郎財務相と石井啓一国交相の大臣折衝の結果、国交省が要求していた総額1500億円を措置することが決まった。大臣折衝では「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」に7308億円を「臨時・特別の措置」で上乗せすることも認められた。
自治体の自由度が高い社会資本整備総合交付金や防災・安全交付金から、国が優先度の高い事業を集中的に支援できる個別補助制度に移行する。
具体的には、直轄事業と連携して実施する自治体の水害・土砂災害対策に対する補助制度や、下水道による床上浸水対策(雨水管、雨水貯留管、雨水ポンプなどの整備)に対する補助制度を創設。港湾施設に対しても、耐震強化岸壁と一体で防災力を向上させる臨港道路に対する補助制度を新たに設ける。
老朽化した道路施設の老朽化対策を補助する「大規模修繕・更新補助制度」については、市町村に対する事業要件を「3億円以上」から「1億円以上」に見直す。
消費税率引き上げに伴う経済対策として19年度当初予算案に上乗せする「臨時・特別の措置」では、住宅の需要変動を平準化させる「すまい給付金」と「次世代住宅ポイント制度」に2085億円、「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」に7308億円を確保する。
このほか、国際コンテナ戦略港湾の国際競争力を高めるため、大水深コンテナターミナルの整備や、人工知能(AI)を活用したターミナル機能の高度化に総額790億円を計上するとした。