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担い手確保・育成などテーマ 建コン協九州支部と県が意見交換

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▲写真は会合の模様、挨拶する福島支部長、大坪課長

 一般社団法人建設コンサルタンツ協会九州支部(福島宏治支部長)と宮崎県の意見交換会が12月5日に県庁で行われた。担い手の確保・育成や技術力による選定、品質の確保・向上に必要となる取り組みについて意見を交わし、ワンデーレスポンスやウィークリースタンスといった取り組みを相互に連携して実践していくことを確認した。

 九州支部と自治体との意見交換は、九州・沖縄8県及び3政令市で毎年行っているもの。会議には、宮崎県から県土整備部技術企画課の大坪正和課長をはじめとする幹部や管理課の担当職員ら8人が出席。九州支部から福島支部長をはじめとする理事、対外活動委員のほか、県内に本店を置く地元会員ら約20人が出席した。

 冒頭の挨拶で福島支部長は、ゼロ県債・交付金を活用した納期の平準化、設計変更ガイドラインの策定など、他の自治体に先駆けた県の取り組みに感謝の意を示すとともに、これまでの国や各県市との意見交換を踏まえ、担い手確保のための諸施策や一層の技術力による選定、成果品質の向上に資する提案を行う考えを示した。

 特に、来年4月の労働基準法改正に伴い、サービス産業に位置付けられる建設コンサルタント業が労働時間規制「待ったなし」であることを強調。働き方を改革して生産性を上げていくこと、若手や女性を含む入職者を増やしていくことが、結果として県土整備行政の推進につながると訴え、提案及び要望に対する理解を求めた。

 一方、技術企画課の大坪課長は、本県に甚大な被害をもたらした台風24号をはじめとする自然災害への対応に加え、国の防災・減災、国土強靱化に資する施策の展開などを引き合いに、協会が果たす役割に期待感を示すとともに、働き方改革の推進に向けた業務分野の施策を検討するうえで様々な意見を聞かせて欲しいと述べた。

 意見交換のテーマは、▽担い手の確保・育成のための環境整備▽技術力による選定▽品質の確保・向上▽宮崎県への個別要望―の4項目。

 「担い手の確保・育成のための環境整備」では、安定的な事業量の確保や繰越制度・ゼロ債等を活用した納期の平準化、若手・女性技術者の活用や育成に好循環をもたらすチャレンジ型の入札・契約制度の試行、実態に即した予定価格の設定、土木設計業務等変更ガイドラインの適正な運用に向けた事例集等の整備を求めた。

 「技術力による選定」に関しては、業務成績評定の発注者間での相互活用を視野に入れたデータベース化や業務成績評定の更なる活用拡大を提案。国が作成している「斜め象限図」を用いたプロポーザル方式及び総合評価落札方式での発注促進や、適用ガイドライン等の運用基準の整備と更新、適切な運用を要望した。

 改正品確法に明記されている「品質の確保・向上」に関しては、受発注者による合同現地踏査の実施、業務スケジュール管理表や条件明示チェックシートの活用、ワンデーレスポンスの実施など、受発注者が一体となった取り組みの必要性を強調した。

 また「宮崎県に対する個別要望」では、技術者のモチベーションをアップし、ひいては品質の向上や担い手の確保にもつながる業務表彰制度の導入、実績がない新規業務にチャレンジできる試行業務の実施のほか、業務成果評定様式にコメント記載欄を設け、検査員及び担当者から改善すべき事項を記載してもらうことを求めた。