国土交通省は、週休2日工事に対する必要経費の補正について、「交代制」で週休2日を達成した現場にも適用する方向で検討に入った。直轄の週休2日工事では「現場閉所」を条件に必要経費(労務費、機械経費、間接費)を受注者に支払っているが、出水期に施工できない河川工事や維持工事など、工期に制約のある工事での現場閉所は難しい。交代制を認める対象工事や、技術者・技能者の休暇取得の確認方法を決めた上で、必要経費の補正を適用する。
「発注者責任を果たすための今後の建設生産管理システムのあり方に関する懇談会」に設置した「建設生産・管理システム部会」の初会合を11月21日に開き、こうした考えを提示した。
2018年度の直轄工事では、週休2日工事を9月末までに2804件で公告し、883件で週休2日に取り組んでいる。週休2日工事では、労務費、機械経費(賃料)、共通仮設費、現場管理費に補正係数を設け、4週6休以上を達成した現場に段階的に必要経費を支払っている。
この補正により、例えば工事費2億円の工事で4週8休を確保すると、工事費は1200万円(6%)増加。工事成績にも加点措置を設けており、4週8休で最大2.8点が加算される。
ただ、こうしたインセンティブを受けるためには、現場閉所で週休2日を実現することが必須。このため、災害復旧や維持工事などを週休2日の対象工事から除外。このほか、積雪寒冷地や出水期などの影響で工期に制約がある工事でも実現が困難な状況にある。
国交省は、こうした現場閉所が困難な工事でも、週休2日を実現すれば必要経費や工事成績のインセンティブが受け取れるよう、技術者・技能者の交代制を認める方向で検討している。
今後、交代制を導入すべき工事や技術者・技能者の休暇取得の確認方法を検討する。現場閉所の確認は、閉所実績が記載された工程表や休日などの作業連絡記録、安全教育・訓練の記録資料などを活用。21日の会合で有識者からは、交代制の技術者・技能者の休暇取得の確認方法として、建設キャリアアップシステムや作業日報を活用する提案もあった。