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開設38㎞、拡張31㎞など計画 五ヶ瀬川森林計画案

 林野庁九州森林管理局は、平成31年度から40年度までの10箇年を計画期間とする「五ヶ瀬川国有林の地域別の森林計画書案(五ヶ瀬川森林計画区)」をまとめた。対象区域とする延岡市及び西臼杵郡3町で、林道及び林業専用道の開設16箇所(総延長約38㎞)や拡張108箇所(同約31㎞)、渓間工及び山腹工等の治山事業に取り組む。

 国有林における地域別の森林計画は、長期的な視点に立った計画的かつ適切な森林の取扱いを推進するため、該当する森林計画区における国有林野及び公有林等官行造林地の整備や保全に関する基本的な事項を定めたもの。森林法の規定に基づき、全国森林計画に即して森林管理局長が5年毎に10年1期として策定する。

 五ヶ瀬川森林計画区の森林計画書案で対象とする国有林は、本県最北部に位置する延岡市及び高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町の西臼杵郡3町にまたがる区域。九州脊梁山系の大団地と諸塚山や日向灘に介在する小団地で形成されており、計画対象国有林の総面積は2万0856㌶となる。

 前計画の実行結果によると、木材の安定供給を目的に育成単層林の皆伐を計画したことから、主伐の計画量は概ね達成されたが、間伐や造林は計画量を下回った。林道等の開設も計画量を下回り、改良は台風や集中豪雨等の被災箇所で緊急性の高い箇所で実行したが、計画量を下回った。治山事業に関しても計画を下回る結果となった。

 今計画では、森林の有する諸機能が発揮される場である「流域」を基本単位とし、水源涵養や山地災害防止及び土壌保全、快適環境の形成、木材生産等の機能を高度に発揮するための適切な森林施業の面的な実施、林道等の路網整備、山地災害の防止、森林病害虫や野生鳥獣害の被害対策などの森林の保護等に関する取り組みを推進する。

 林業専用道の開設は、延岡市で6箇所(延長15.0㎞)、高千穂町で8箇所(同20.3㎞)、日之影町で2箇所(同2.6㎞)を計画。改良や舗装を主とする林道及び林業専用道の拡張は、延岡市で48箇所(延長13.0㎞)、高千穂町で14箇所(同3.4㎞)、日之影町で37箇所(同12.0㎞)、五ヶ瀬町で9箇所(同2.6㎞)を計画する。

 治山事業に関しては、▽延岡市=54地区▽高千穂町=16地区▽日之影町=57地区▽五ヶ瀬町=7地区―で渓間工や山腹工、本数調整伐、除伐を実施する必要があると明記。前半5箇年分の計画数量を▽延岡市=27地区▽高千穂町=13地区▽日之影町=32地区▽五ヶ瀬町=7地区―と設定する。

 計画書案ではこのほか、間伐立木材積その他の伐採立木材積の計画量を88万9000m3(前半5箇年分43万3000m3)、間伐面積の計画量を1万0411㌶(同5068㌶)、人工造林面積を686㌶(同342㌶)、天然更新別の造林面積を294㌶(同147㌶)などと設定している。

 九州森林管理局は、五ヶ瀬川国有林の地域別の森林計画書案のほかに、広渡川国有林の地域別の森林計画書の変更計画案(平成30年12月変更)もまとめ、ホームページで公開している。11月30日まで計画案及び変更案に対する意見書を受け付けている。