延岡市は、公立小中学校の普通教室に空調設備を整備した場合、実施設計費や工事費等で約19億9100万円、夏場のランニングコストの増額分として約1億円が必要になるとの見通しを示した。延岡市や宮崎県市長会は、設置に対する財源確保や交付金の算定割合・単価の引き上げ、維持管理費に対する地方財政措置を国に要望している。
猛暑など厳しい気象条件への対応として、学校施設に空調設備を設置する動きが全国の自治体で加速している。児童や職員の健康維持、学習活動実施への影響を踏まえ、延岡市に於いても「よりよい教育環境を整えるため、児童・生徒が過ごす時間が長い普通教室に早急に空調設備の整備を行う必要がある」との考えを示している。
延岡市では、国の交付金制度や地方交付税制度を最大限に活用し、原則として全ての市立小中学校の普通教室に空調設備を整備する考えでいる。対象となる普通教室の数は、小学校が291、中学校が125の計416。整備期間は平成31年度までとするが、期間中に校舎の増改築が見込まれる場合は、後年度にずれこむ可能性がある。
実施設計費や設置工事費、施工管理費など整備に必要な予算額を約19億9100万円と試算する。内訳は、小学校が約13億7700万円、中学校が約6億1400万円。ただし、これらの金額は国に対する要望額であり、実施設計段階で最適な工法等を検討するため、整備費用はこれよりも少なくなる見通し。
一方、空調設備を設置した場合の夏場のランニグコスト(電気料金の見込額)は、現在よりも1億円増額する見通し。空調の熱源に関しては、実施設計段階で比較・検討を行う。このほか設置に際しては、子ども達の健全な発展を考え、利用期間や設定温度などの基準を策定するなど、身体への負担を軽減する工夫も検討する。
市はこれらの整備計画をまとめ、ホームページで公開している。市内居住者を対象に11月12日から11月30日まで広く意見を募集する。