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調査対象にロボ技術8件を選定 道路橋点検記録作成支援

 国土交通省九州地方整備局は、道路橋点検記録作成支援ロボット技術の試験対象技術に、株式会社イクシスや国際航業株式会社などから応募のあった8技術を選定した。本年中に九州地方整備局の直轄現場で試験・調査を行い、従来技術(近接目視検査)との比較・評価等の結果をホームページ「新技術関係(NETIS)」で公表する。

 近年、道路橋点検記録の作成支援を行うロボット技術が開発されてきていることを踏まえ、九州地方整備局は今年8月~9月にかけて既に実用化段階にある「道路橋点検記録作成支援ロボット技術」を公募。九州地方整備局新技術活用評価会議における審議や各申請者へのヒアリングを踏まえ、試験対象技術に8技術を選定した。

 株式会社イクシスの「橋梁床版下面のロボットによる点検検査及びデータ記録技術」は、橋梁の種類や現場環境に応じ、主桁フランジ把持式またはワイヤ吊り下げ式のロボットを使い分け、床版下面や水切り部などのコンクリート面、上横構・ガセットなどの連結部などの点検検査を行う。遠隔操作やデータ記録を行うためのアプリケーションソフトも付属し、点検記録の作成を支援する。

 国際航業株式会社の「画像によるRC床版の点検・記録システム」は、RC床版に対し、標定点を照射すると同時にカメラで床版と標定点を撮影、標定点の3次元座標をもとに各画像を正射投影画像に変換してパネル単位に接合、座標を持った高精度な画像データを生成する。画像データからひびわれ等の変状を判読することで、点検作業の効率化とコスト縮減を図るとともに、点検記録の合理化を実現する。

 新日本非破壊検査株式会社の「近接目視・打音検査等を用いた飛行ロボットによる点検システム」は、有線式のマルチコプター上部に車輪駆動機構と点検機構を搭載。人が容易に近づけない部位に接近し、車輪を押し当てて走行しながら、カメラによる撮影と打音検査を行う。点検時の位置情報はロボットに搭載した測域センサにより計測され、カメラで撮影された画像の解析結果と位置情報から点検調書の作成を支援する。

 選定された8技術の概要は九州地方整備局のホームページで確認できる。技術名と応募者は次のとおり(カッコ内は共同開発者)。
▽橋梁床版下面のロボットによる点検検査及びデータ記録技術=株式会社イクシス
▽画像によるRC床版の点検・記録システム=国際航業株式会社
▽近接目視・打音検査等を用いた飛行ロボットによる点検システム=新日本非破壊検査株式会社[名古屋大学大学院・九州工業大学・福岡県工業技術センター機械電子研究所・北九州工業高等専門学校]
▽橋梁点検支援ロボット+橋梁点検調書作成支援システム=ジビル調査設計株式会社[有限会社インテス]
▽遠方自動撮影システム=株式会社東設土木コンサルタント[有限会社ジーテック・キヤノン株式会社・キヤノンマーケティングジャパン株式会社]
▽二輪型マルチコプタ及び3D技術を用いた点検データ整理技術=富士通株式会社[株式会社ドーコン・株式会社プロドローン]
▽社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」=富士フイルム株式会社
▽橋梁近接目視点検飛行ロボットシステム=株式会社リコー[国立大学法人東北大学・株式会社千代田コンサルタント・一般財団法人航空宇宙技術振興財団・東急建設株式会社]。

選定された各技術の概要