▲両施設のイメージ 、駅前施設のイメージ、施設の位置図
九州旅客鉄道株式会社(JR九州、青柳俊彦代表取締役社長)と宮崎交通株式会社(菊池克賴代表取締役社長)は、宮崎駅西口に共同で整備する複合施設の概要を発表した。商業施設やオフィスが入居する10階建の施設と商業施設が入居する6階建の施設を建設し、これに併せて宮崎駅や高架下商業施設のリニューアルも行う。プロジェクト全体の事業費は約100億円。来春に着工し、2020年(平成32年)秋の開業を目指す。
10月18日に宮崎市内でJR九州の青柳社長と宮崎交通の菊池社長が共同会見を開き、青柳社長がプロジェクトの概要を説明した。会見には、宮崎県の河野俊嗣知事、宮崎市の原田賢一郎副市長、宮崎県商工会議所連合会の米良充典会頭も同席し、宮崎駅周辺に於ける賑わいの創出や近隣地への賑わいの拡がりに期待を寄せた。
建物名称は「JR宮交ツインビル」。JR九州や宮崎交通が所有する駅前用地(宮崎市老松2丁目、約4200m2)にS造10階建延べ2万5500m2程度の建物、県道を挟んで西側の宮崎交通が所有する広島用地(同広島2丁目、約3100m2)にS造6階建延べ1万2200m2程度の建物を、JR九州と宮崎交通が共同で整備する。
駅前用地の建物には、1階~4階に商業フロア、5階~6階にシネマコンプレックス、7階~10階にオフィスフロアをそれぞれ配置。広島用地の建物は全層を商業フロアとし、両施設の商業部分を「アミュプラザ宮崎」と位置付ける。
アミュプラザ宮崎には50店舗程度が出店する見通し。地元から強い要望があったシネマコンプレックスを導入するほか、肉、魚、果物、酒など宮崎の豊かな食材をふんだんに使った魅力あふれる飲食、食品店舗を展開し、宮崎の元気を広く発信する。宮崎初出店となる店舗も誘致し、新しい生活スタイルを提案する。
駅前用地の建物には、「日本のひなた 宮崎県」に相応しい屋上庭園や海を見渡せる展望デッキのほか、建物に隣接して大屋根を設け、雨天時もイベント等が開催できるようにする。上層階に配置するオフィスフロアに関しては、買い物にも便利で、公共交通機関へのアクセスも優れた「働きたくなる」場所を創出する。
当初の構想の中で、広島用地の建物内に設けることを想定していた駐車スペースに関しては、多くの店舗の出店により商業施設としての魅力を更に高めるため、近接する別用地での整備を計画する。駐車台数は340台程度を目途としており、不足する分に関しては近隣駐車場と契約して補う見通し。
共同開発プロジェクトと連動して、JR九州では宮崎駅の改良及び高架下の改装にも取り組む。明るく、更に利用しやすいように駅施設を改良するとともに、平成5年に開業した高架下の商業施設(えきマチ1丁目宮崎、約6000m2)のリニューアルも行い、共同開発で創出される賑わいが更に拡がるようにする。
他方、宮崎駅西口では宮崎県が駅前広場の再整備に取り組む方針を示しており、プロジェクトがまち全体の活性化につながるよう、イベント等が開催できる広場空間や歩きやすい歩行者空間を構築するため、これに連携・協力する。宮崎駅から橘通に向けた動線が確保できるよう、駅前通りの改良なども要望する。
駅前用地及び広島用地に整備する両施設の基本・実施設計は株式会社久米設計が担当し、これから実施設計を本格的に進める。今後、施工業者を選考・決定する見通し。計画では、平成31年春に両施設の建設工事に着手し、宮崎駅の改良や高架下の商業施設のリニューアルも含めて、32年秋の開業を目指す。
《プレスリリース》