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橋梁点検「聖域なく新技術導入」 池田豊人道路局長

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▲池田豊人道路局長

 国土交通省の池田豊人道路局長は建設専門紙の共同インタビューで、橋梁の定期点検の見直しについて「近接目視や打音に〝聖域〟を設けず、使える新技術を導入するというのが基本スタンスだ」との考えを示した。公共事業費が6年連続横ばいで推移する中、老朽化したインフラの維持修繕費は徐々に増加しており「財源をどうするのか、日本全体で考える時期に来ているのではないか」との認識も語った。

 2014年度に始まった5年サイクルの橋梁の定期点検は、18年度末までに全国70万橋を一巡する見込み。池田局長は、19年度から二巡目を迎える定期点検について「画像、赤外線などの新技術を活用し、点検作業の効率化を図ることが課題になる」と強調。「点検の質を確保できる技術を特定し、二巡目の点検に反映できるよう、早急に検討したい」と続けた。

 また、点検対象の橋梁についても「二巡目も一律ということはないだろう。分類分けも検討する必要がある」と話した。

 無電柱化については、台風21号により、大阪府の泉州地域で約1000本の電柱が倒壊したことを例に「電柱の倒壊は、停電の原因にもなるし、道路閉塞(へいそく)によって災害復旧の支障にもなる。国土強靱(きょうじん)化、防災・減災のためにも、無電柱化のさらなるペースアップを図りたい」と力を込めた。

【略歴】池田豊人(いけだ・とよひと)東京大学大学院工学系研究科(土木)修了。1986年建設省入省。関東地方整備局道路部長、道路局道路交通管理課長、道路局環境安全課長、大臣官房技術審議官、近畿地方整備局長などを歴任し、7月から現職。57歳。香川県出身。