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橋梁床版の維持補修で講習会 宮崎社会基盤保全技術研究所

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▲写真は講演、模擬施工の模様

 NPO法人宮崎社会基盤保全技術研究所(中澤隆雄理事長)が主催する「橋梁床版維持補修に関する講習会」が9月27日に宮崎大学で開かれた。講習会には技術者ら約200人が参加。橋梁床版などの維持補修技術や工法に関する講演のほか、床版供試体を用いた補修の実演などを通じて最新の知識・技術の習得を図った。

 県内には国や県、市町村、高速道路会社等が管理する道路橋が9千橋以上あるが、建設後50年以上が経過する県管理の道路橋の割合が20年後には約50%になるなど、これらの橋梁の高齢化が急速に進行している。従来型の手法では、集中的に維持補修費や更新費が発生し、財政的に大きな負担が生じることが予測される。

 このような状況を踏まえ、講習会では中澤理事長が「宮崎県内の橋梁床版の損傷事例」について基調講演を行った。旧小戸之橋や旧相生橋などのコンクリートや鉄筋の材料試験結果、RC床版の載荷試験結果等の資料に沿って分かり易く解説。中澤氏は「損傷の要因を把握し、劣化調査・診断結果に基づいた適切な補修補強対策を講じることで、長寿命化へと繋がる」と語った。

 続いて、鹿島道路株式会社と住友大阪セメント株式会社の担当者が「接着剤塗布型床版補修技術」を紹介。2種の接着剤と断面修復材を使い、下地を修復・強化し、新旧コンクリートを一体化することにより、耐久性の確保ができる「床版EQM工法」について解説したのち、会場を屋外に移し、施工時のポイントや留意点等を解説しながら、①浸透性KSプライマー塗布②KSボンド塗布③断面修復材(リフレモルセットSF)打設―までの一連の流れを実演した。

 午後の部では、日本大学の阿部忠教授が「道路橋RC床版の長寿命化対策」と題して講演。RC床版の損傷事例や補修・補強方法、EQM材料及びEQM工法などに関して、実験・試験結果等の資料を交えながら分かり易く解説した。

 このほか、非破壊調査車とジェットモービルの概要説明や実演及び実車説明、午前の部の模擬施工の際に作成した試験体を用いた品質管理試験(材齢3時間の圧縮強度と建研式引張)などが行われた。