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県産スギCLTの耐力壁を開発 木材利用技術センター

 木材関連産業の加工技術向上や新製品開発等を支援する宮崎県木材利用技術センターは、県産スギ材を用いた新たなCLTとして、地元工務店等が在来木造軸組構法に使用できる耐力壁を開発した。構成は3層3プライで、厚さは54㍉。仕様は2段組(1枚25㎏程度)。建築基準法に規定する壁倍率6.9倍の強度を誇る。

 CLT(Cross Laminated Timber/直交集成板)は、ひき板(ラミナ)を繊維方向が直交するように積層接着した木質構造用材料。平成28年3月31日と同年4月1日に建築基準法令に基づく一般的な設計法が定められたため、個別に大臣認定を取得せずに建築確認を受けられるようになった。

 県内で製造されるCLTを用いて同センターが開発した耐力壁は、CLTをそのまま内装仕上げ材として利用する大壁造り。建築基準法に規定される壁倍率6.9倍の強度を有する。CLTを2枚に分割して1枚当たりの重量を軽量化し、作業性の向上を図ると共に、見た目にも美しい、特殊金具等も使用しない形状とした。

 開発した耐力壁を多くの地元工務店等に活用してもらうため、同センターではホームページへの掲載や建築関係者への成果報告等を行っている。今後もこれらのPRを継続する一方で、現在の仕様を基本とした接合金物や床材との干渉がなく、施工性を向上させた汎用性のある仕様にするための研究に取り組むこととしている。