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31年度開講へ基本計画の素案策定 みやざき林業大学校

 宮崎県は、将来にわたって持続的に林業の振興を図るため、実践的な人材育成を総合的に行う「みやざき林業大学校(仮称)」を開講するための基本計画の素案をとりまとめ、ホームページや県民情報センター、林業技術センター、西臼杵支庁及び各農林振興局林務課等で公開している。2月14日まで素案に対する意見を募集する。

 全国に先駆けて森林資源の充実が進み、伐採や再造林の林業生産活動が拡大している本県では、将来にわたって持続的に林業の振興を図るため、効果的な人材育成の仕組みづくりが喫緊の課題となっている。このため、実践的な人材育成を総合的に行う林業大学校を開講し、本県林業・木材産業が求める人材に対応した各種の研修を実施する。

 林業大学校では、森林・林業の知識や技術をはじめ、林業・木材産業の施策や経営に精通した人材を各段階で総合的に育成するため、林業事業体や市町村等のニーズを的確に踏まえ、研修の質的・量的な充実を図る。学校の名称は、県民に親しみやすく、開かれたオールみやざきをイメージできる「みやざき林業大学校(仮称)」とする。

 研修コースは、▽長期課程▽短期課程▽経営高度化課程▽リーダー養成課程―の4コースを計画。新規就業者を対象とした長期課程(1年間)では、県が取り組んでいる「みやざき林業青年アカデミー研修」を拡充し、林業技術や林業経営等に関する座学や免許・資格等の取得に向けた技能講習、現場実習を行う。

 短期課程では、現場技能者を対象とした免許・資格等の技能講習、森林組合等の林業事業体職員を対象とした林業経営マネジメント講習、木材加工技術者を対象とした木材加工技術講習、市町村職員を対象とした森林経営管理講習、森林管理指導者を対象とした森林総合監理・森林土木講習を開講する。

 林業経営者を対象とした経営高度化課程では、低コスト林業経営技術や特用林産生産技術に関する講習を実施。林業研究グループ会員やひなたもりこ等を対象としたリーダー養成課程では、地域林業の振興や地域活性化について学ぶ。このほか、青少年や一般県民を対象として、森林・林業教育に関する公開講座も開講する。

 研修拠点は美郷町の宮崎県林業技術センターとし、宮崎県諸県県有林共に学ぶ森(宮崎市)、宮崎県木材利用技術センター(都城市)などの地域の公的施設をサテライト施設と位置付ける。県が主体となって運営を行うが、林業就業に必要な資格取得や技能講習等については、一部を林業関係団体との連携や業務委託によって実施する。

 開講時期は平成31年度を予定。民間企業や林業事業体、行政が一体となった就学・就業・定着を見据えた支援や指導協力など、一貫したオールみやざきの支援体制を構築する。

《基本計画(素案)の概要》