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「福祉関連施設」優先すべき 岩戸中跡地活用で意見書

 高千穂町立岩戸中学校の跡地活用を検討していた岩戸中学校跡地活用町民検討委員会(委員16人、富高友子委員長)は1月17日、内倉信吾町長に跡地活用に係る意見書を提出した。優先すべき施設に生活支援ハウスや在宅看護支援施設を掲げる一方、施設の整備に際しては町全体の福祉像を明確にした上で、整備する施設や機能について優先順位を付けて検討することなどを求めた。

 対象地は平成27年3月に閉校した岩戸中学校の跡地(大字岩戸4518番地2)。旧校舎を解体し、運動場と解体後の旧校舎跡地に天岩戸保育園を移転建設することが決定している。現在定員を想定した保育園舎の規模は木造平家建延べ600m2程度。施設整備に係る設計業務が完了しており、本体工事は30年度以降に発注する。

 保育園以外の跡地活用に関しては、町民や福祉事業者に対するアンケート調査を行い、広く地域住民の意見を募ると共に、寄せられた意見や事務局の提案等について検討委員会で協議を重ねてきたが、このほど、跡地活用に関する基本的な考え方と活用を図る上での留意点をまとめ、意見書として内倉町長に提出した。

 跡地活用の基本的な考え方では、これまで学校が地域に開かれた中核的な施設として、防災やコミュニティの形成、文化活動の拠点としての役割を果たしてきたことから、周辺環境や地域に配慮し、必要性・緊急性・地域貢献の観点から活用を図るよう要望。

 整備する施設に関しては、優先すべき施設に「生活支援ハウスやショートステイなど在宅介護を支援するための施設」、整備することが望ましい施設に「多世代交流施設や地域交流の機能を持ち合わせた施設」を例示。町の福祉計画を整理し、将来の福祉像を明確にした上で、整備する施設や機能に優先順位を設けて検討することを求めた。

 一方で、その他の町有地や既存施設の利活用等も含めた整備場所の検討を行い、施設の運営に関しては官民連携による有効的・効果的な活用を模索するよう求めている。

 住民アンケートでは、観光産業の振興やスポーツ振興など福祉以外の跡地活用による意見も寄せられたことから、岩戸の町づくり事業と連携するなど、地域住民との意見交換の場を積極的に設け、福祉以外の活用についても広く検討するよう要望した。

 今後に関しては、「福祉課題を検討する場」と「跡地の活用を協議する場」をそれぞれ設け、町全体の福祉の向上と岩戸地区の活性化に繋がる具体的な跡地活用の手法を検討していくよう求めている。