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社保の加入確認を合理化 作業員名簿見直しも

 国土交通省は、各現場で社会保険の加入確認を合理化、適正化することを検討する。現在、元請けは作業員名簿で加入状況を確認しているが、確認作業は事務的に煩雑で、第三者が一人親方の労働者性を判断することも難しい。加入状況や一人親方の労働者性を容易に確認できるよう、作業員名簿の記載事項に「作業員の年齢・就業年数」「労災保険の特別加入制度への加入状況」「保険料の納付状況」などの追加を検討する。

 「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」では、下請け企業が作成した作業員名簿で加入状況を確認することを元請けに求めている。ただ、法定福利費の負担を免れるために一人親方の請負形態をとるケースや、適用除外である一人親方が元請けの誤った理解で加入を強制されるケースが一部にある。

 同省は、元請けの現場における加入指導を合理化し、より適正に指導できるよう、作業員名簿の記載事項見直しを検討する。現在の記載事項である3保険の加入状況・被保険者番号に▽作業員の属性(年齢、就業年数)▽労災保険の特別加入制度▽保険料の納付状況―などを追加することを考えている。

 これらの記載事項を確認した上で、一人親方の労働者性に疑いがあれば、再下請負通知書に添付する契約書で契約形態を確認する。

 作業員名簿の見直しを検討することに加え、各作業員・企業が加入すべき「適切な保険」をフローローチャート形式で確認するリーフレットを作成。このリーフレットを活用し、加入すべき保険を判断するよう各現場に周知する。合わせて、今秋以降には建設キャリアアップシステムを活用してより簡易な加入確認も試行する。