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計画的な施設更新等を実施 えびの市水道事業経営戦略案

 えびの市は、将来にわたって安定的に水道事業を継続していくための中長期的な指針となる「えびの市水道事業経営戦略」の素案をまとめた。計画期間は平成30年度から39年度までの10年間。施設・設備の投資試算等の支出と財源試算を均衡させた「投資・財政計画」に沿って、経営基盤の強化及び財政マネジメントの向上を図る。

 平成28年度決算の給水人口は1万7632人(計画給水人口=2万人)。熊本県境にある又五郎谷から表流水を取水し、導水トンネル・導水管を経て柿木原浄水場へ導水され、各配水施設から配水管を通じて市内全域に給水している。管路の総延長は約345㎞で、平成32年には総延長の約8割に当たる管路の法定耐用年数が到来する。

 経営面に関しては、人口減少に伴う給水収益の減少や老朽化した水道施設の莫大な更新費用に加え、簡易水道統合整備・第2水源築造などの大規模な投資的事業が水道事業会計を圧迫している。独立採算が可能となった平成20年度から25年度までは黒字経営を維持してきたが、平成29年度からは赤字決算となる見通しとなっている。

 現状と課題を踏まえた短期~中期的な経営改善に向けて、計画的な企業債発行額の抑制や企業債償還期間及び据置期間の短縮による利息の低減、夜間徴収等の未収金対策の実施、遊休地等の売却を含む資産の有効活用、給与・職員数の適正化、民間的経営手法の導入等に取り組み、適切と考えられる時期に水道料金の改定を行う。

 一方、長期的な施設老朽化への対応として、水道施設耐震化計画を策定し、総合的かつ計画的な水道施設の耐震化を図ると共に、給水需要予測に基づく適切な規模設定・統廃合も検討する。また、安定供給確保のために管路更新計画を策定し、緊急度・重要度に基づく優先度を踏まえた計画的な管路の更新を図る。

《えびの市水道事業経営戦略の素案》