国際建設技術協会は、日本のコンサルタント会社を対象とした2016年度「海外コンサルティング業務等受注実績調査」の結果をまとめた。総受注額は前年度比33%増の1377億3000万円で、2年連続の増加となった。日本コンサルタンツ・日本工営・オリエンタルコンサルタンツグローバルJVが約225億円で受注したインド国高速鉄道建設事業詳細設計調査などが大幅な増加につながった。件数は前年度より5件多い864件だった。
調査は海外運輸協力協会、海外農業開発コンサルタンツ協会、海外コンサルタンツ協会の協力を得て、国際建設技術協会と各団体に所属する会員企業のうち開発コンサルタント83社を対象に行った。82社から回答があり、このうち73社に16年度に海外での受注実績があった。
業務分野別の受注割合では「運輸・交通分野」が前年度の29%から57%に増加した。鉄道では、インドの高速鉄道のほか、日本工営らのJVによるエジプトのカイロ地下鉄4号線第1期整備事業のコンサルタント業務(141億円)の大型案件もあった。
鉄道の業務の大幅な受注増に関して、実際に業務を受注したコンサルタントからは「鉄道が特殊分野であるだけに、技術者の確保の面で苦労している」という声も聞かれたという。
分野別の受注割合はこの他、「エネルギー分野」(11%)、「社会基盤・通信・放送分野」(6%)、「公益事業分野」(6%)が次いだ。
国別の上位はインド(291億5000万円)、バングラデシュ(164億円)、エジプト(128億6000万円)、ミャンマー(85億5000万円)、ネパール(49億円)、ベトナム(44億6000万円)、カンボジア(44億5000万円)、ケニア(44億1000万円)など。エジプトが前年度の18位から3位、ケニアが17位から8位に伸びた。
資金出所別の受注額は、政府開発援助(ODA)関連が1288億3000万円を占め、前年度と比べ44%増加した。