公募型プロポーザル方式で「野口遵記念館建設基本構想・基本計画策定業務委託」の事業者選定を進めていた延岡市は4日、最優秀提案者に有限会社空間創造研究所、次点者に株式会社シアターワークショップを特定したと発表した。経年劣化が進む野口記念館の再整備に関して、施設整備に係る基本構想・基本計画策定業を支援する。
昭和30年に建設された延岡市公会堂野口記念館(東本小路119-1、RC造地下1階地上2階建延べ2596m2)は、市制20周年記念事業として旭化成株式会社から寄贈を受けた施設。固定席638席と車椅子席10席の計648席を備え、最大700人まで収容でき、各種演奏会や演劇、舞踊など多目的に利用されている。
一方で、築後60年が経過した現在、経年に伴う躯体や設備の老朽化が顕著となってきており、施設の抜本的な対策が急務となっている。このため、施設の再整備にあたり、市民や専門家の意見等を踏まえながら、新施設の役割や機能、景観への配慮など様々な視点で検討を行い、施設整備に係る基本構想・基本計画を策定する。
市がまとめた施設案では、新施設の概略面積を3400~3500m2程度と想定。約600席のホールや控え室等を備えるホールゾーン、エントランスやロビー、事務室等の管理部門・サービスゾーンのほか、展示ゾーン等の配置を計画する。事業の財源には旭化成からの寄付金30億円を充て、平成32年度までの完成を目指す。
今回の業務では、基本構想・基本計画策定に必要となる▽前提条件の整理▽事業・活動計画▽施設計画▽展示計画▽管理運営計画▽最新設備・機器等の情報収集、類似施設の先進事例―に関する検討を行うほか、検討委員会の企画運営、市民懇談会の開催支援、パブリックコメントの実施支援などを行う。委託期間は30年3月23日まで。
市は、同種もしくは類似業務の履行実績を持つ事業者を対象に、プロポーザル方式による事業者の選定を実施。8月31日に行われたプレゼン及びヒアリングの内容を踏まえ、ホール機能を有する他の公共施設との関係を踏まえた記念館の役割や機能等について優れた提案を行った空間創造研究所を最優秀提案者に特定した。