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国体等スポーツ施設、主要施設を分散整備 宮崎県

 二巡目国民体育大会と全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、主要スポーツ施設の整備を検討する宮崎県は、陸上競技場を都城市山之口運動公園内、体育館を延岡市民体育館敷地、プールを宮崎市内にそれぞれ整備することを決めた。一方で、県が進める「スポーツランドみやざき」の中心施設として今後も活用する宮崎県総合運動公園の維持や改修に加え、南海トラフ巨大地震に備えた津波避難の追加対策を講じる方針も示した。

 現在の県有体育施設の多くは、昭和54年の国体前に総合運動公園を中心に建設され、施設本体や設備の経年劣化が進んでいる。一方で、主会場としての使用が想定されている既設の陸上競技場、体育館、プールは、競技開催に必要となる各種基準を満たしていないため、県は各施設を建て替えで整備する方針を示していた。

 整備に際して、県は市町村等と連携した施設整備の可能性を模索。各自治体の意向調査に加えて、想定される施設の規模や交通アクセス等を踏まえ、各施設の整備候補地を絞り込んでいたが、陸上競技場を都城市山之口運動公園内、体育館を延岡市民体育館敷地、プールを宮崎市内にそれぞれ整備することを決めた。

 県が外部コンサルに委託した各施設の検討内容によると、関係諸団体が定める仕様や基準等を満たす大会施設とするために、陸上競技場は総面積8万m2程度(主競技場4万2000m2程度外)、体育館は延床面積1万4000m2程度、プールは総面積1万m2程度(競泳プール50m×25m外)が必要とされている。

 このうち、都城市と共同整備する陸上競技場に関しては、都城市が用地提供や付随設備等の整備、県が用地造成及び競技場等の整備を行う。主競技場の観客席数は1.5万~2万人規模。開会式に3万人分が必要となる国体開催時の観客席の仮設対応や駐車場の追加整備を検討する。これらを踏まえた想定事業費は、競技施設が120億円程度、用地造成が60億円程度、駐車場が20億円程度。

 また、延岡市と共同整備する体育館に関しては、用地の提供を延岡市が行い、施設を共同で整備する。荒天時における開閉会式会場としての使用の有無を踏まえ、観客席数の規模を設定するほか、体操やスポーツクライミングなどの特殊設備の整備の在り方については、基本計画の中で検討する。これらを踏まえた想定事業費は、競技施設が70億円程度、用地造成が15億円程度。

 一方、宮崎市内に整備するプールに関しては、民間との連携により整備費や維持費を抑制しつつ、県有地に全屋内プールを整備する手法の可能性や整備内容等について、宮崎市との協議を含めて、整備場所を含めた具体的な検討を進める。仮に、一部屋外型とした場合の想定整備費は30~50億円程度。飛込やシンクロナイズドスイミングについては、県外施設の活用を検討する。

 これらの施設を県が推進する「スポーツランドみやざき」の基盤として整備するにあたり、その中心施設に位置付ける宮崎県総合運動公園の整備にも取り組む。各種スポーツ大会やキャンプ、イベント等に対応できる施設の維持・改修を行うほか、津波避難対策として、津波避難タワー等の工作物、盛土高台等の土木構造物の整備を検討する。