日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、会員企業が週休2日を実現する上での指針となる「週休二日実現行動計画試案(案)」をまとめた。2021年度までの5年間で建設業に週休2日を定着させるとの目標を掲げる一方、会員企業の現場単位での達成状況を毎年度検証。週休2日を犠牲にする〝工期ダンピング〟を「断固排除しなければならない」と強調。発注者に週休2日の確保に必要な適正工期への理解を求めるとともに、下請け契約で週休2日をベースに工期を設定する際のコストアップを請負代金に適切に反映することを求める。
行動計画は、建設業に対する時間外労働の罰則付き上限規制が改正労働基準法施行後5年の猶予期間を経て適用されることを踏まえ、21年度までに週休2日を定着させ、長時間労働を是正する必要があると指摘。現在は4週4休、4週6休をベースとする建設サービスを週休2日で提供するよう、社会全体の意識改革を行う必要性を訴えている。
週休2日を実現するため、民間・公共発注者に適正な工期設定への理解も求める。発注者に対し、生産性向上など最大限の自助努力を盛り込んだ適正工期を提案するとともに、不当に短い工期での受注(工期ダンピング)を排除する。
日給月給の技能者の総収入を減らさない方針も打ち出し、下請け企業に社員化による日給制から月給制への移行を促すとともに、週休2日による年収減少分を補填する。優良協力会社には、社員化・月給制への移行に対する支援措置も講じる。
行動計画は当面の間、「試案」として公表し、内外の意見を踏まえて12月に決定する。日建連の行動計画を踏まえ、会員企業には企業単位での行動計画策定を促す。行動計画で求める週休2日は、個人単位で休暇・休日を週2日取得することではなく、現場を土日閉所とすること。本社・支店の全ての現場を対象とし、災害復旧など特別な事情がある現場は「適用困難事業所」として扱う。
計画期間は17~21年度の5年間とするよう求め、適用困難事業所を除く全事業所で週休2日の実現を目指してもらう。19年度末を中間年度と定め、適用困難事業所を除く全ての事業所で4週6休(第2・第4土曜日)の閉所を目指す。18年度以降、週休2日を達成している事業所の比率を「目標達成率」などとして集計し、日建連が達成状況を検証する。