▲写真は見学会の模様
株式会社竹中工務店宮崎営業所の協力会社で組織する建設業魅力発信実行委員会(佐藤世紀委員長)は、20日に宮崎市内で「建設業魅力発信作業所見学会inみやざき」を開催した。イオンモール宮崎増床計画作業所に県内の工業高校生と産業開発青年隊員を招き、現場見学や体験学習を通じて建設業の魅力をPRした。
建設業界の喫緊の課題である中長期的な担い手の確保及び育成を背景に、若年層に建設業の魅力ややりがいを知ってもらい、専門工事業に対する理解を深めてもらおうと、昨年に続いて開催されたもの。一般社団法人宮崎県建築業協会と竹中工務店、同社の協力会社でつくる九州竹和会及び宮崎地区安全衛生協力会が共催した。
イベントには県立宮崎・日向工業高等学校建築科の生徒と宮崎県産業開発青年隊の隊員ら約140人が参加。開始式で同作業所の立山所長が「普段から皆さんが学校で勉強していることが実際の現場でどのように行われているのかを感じ取って欲しい」と挨拶したのち、工事概要やこれまでの工事の進捗状況について説明があった。
参加した生徒及び隊員は4つのグループに分かれて▽作業所内巡回▽建設セミナー▽躯体体験▽仕上設備体験―を行った。このうち、作業所内の巡回では、作業中の現場内で足場や鉄筋の設置状況、各工事の作業模様などを見学。耐火性に優れたALCパネルや排煙装置などを使用し、防火対策の強化を図っていることを学んだ。
建設セミナーでは、ゼネコンと協力会社の連携で現場が成り立っていることを担当者が説明。建設業の魅力として▽ものづくりの達成感▽歴史に足跡を残す▽仕事の新鮮さ▽技術の習得―を挙げ、各自がプライドを持って仕事に取り組んでいること、人々の快適な生活環境の創造と安全・安心の確保が建設業の使命であることを紹介した。
躯体工事の体験コーナーでは、結束線で鉄筋を固定する作業や型枠の組み立て作業に挑戦。職人が安全に作業をするために足場が必要であることを学び、実際に足場を組み立てた。仕上設備工事の体験コーナーでは、熟練技能者の指導のもと、内装や塗装、左官作業を体験し、電線や配管の接続作業にも取り組んだ。
閉会式では、竹中工務店九州支店の弓削裕治支店長が人手不足に陥っている建設業界の現状に言及し、建物を造るためには様々な職種の人々の協力が必要であることを強調。今回の見学会を通じて、建設業、専門工事業への理解を深めてもらった上で、「これから先、私達と共に50年、100年残る建物を造って欲しい」と呼び掛けた。
参加した宮崎県産業開発青年隊の隊員は「皆が協力して現場が成り立っていることが分かった。将来、自分が現場に携わる時も、皆で協力しながら頑張っていきたい」と意気込みを語った。また、別の隊員は「まだ将来の仕事をはっきりと決めていないが、今回の見学会が貴重な体験になった。就職先を決める上で役立てたい」と話した。