国土交通省は、ICTを活用して都市部の地籍調査を効率化する。個々の土地取引で行われる民間測量などの成果を蓄積する「地籍整備プラットフォーム」と「オープンデータサイト」を2018年度に構築。サイトに蓄積された情報を活用して民間事業者が地積測量図を作成できるようにし、立ち会いなどの簡略化につなげる。都市部での活用が見込まれるドローンやモバイルマッピングシステム(MMS)の実証実験も行い、地籍調査への活用を検討する。
都市部では、都市再生をはじめとする土地の有効活用の必要性が高いが、民民間の一筆地調査や測量に時間・経費がかかるため、進捗(しんちょく)率は16年度末時点で26%と遅れている。国交省は、18年度の概算要求に1億2800万円を盛り込み、都市部の地籍調査を効率化するプラットフォーム構築や最新技術の活用を検討する。
地籍整備プラットフォームには、公共事業や民間開発など個々の土地取引で行われる測量成果や、市町村が実施する官民境界の先行調査の成果を登録する。プラットフォームに登録された測量データを活用すれば、一部の測量作業の省略を認めるなど、効率的に地籍調査を行うことができるようにする。
プラットフォームに登録された官民境界の位置情報や測量の基準点情報は、オープンデータサイトで民間の土地家屋調査士らに公開する。サイト上の情報を測量の基準とし、地積測量図作成などに活用することを認める。
一方、筆数が多く、全ての境界点の現地測量に手間と経費が必要になる都市部の地籍調査を効率化するため、ドローンとMMSの実証実験を行う。既にGNSS測量を地籍調査で活用するための運用基準を今年4月1日に施行しており、ドローンとMMSについても実証実験を行った上で、国土調査法の改正省令で、活用ルールを定める。