国土交通省は、直轄工事の新技術導入を促進する「現場実証一体型技術開発事業(仮称)」を2018年度に実施する。入札段階で、実用段階に達していない技術や要素技術に関する提案を求め、施工と一体で現場実証を行う。18年度の概算要求に11億8000万円を盛り込んでおり、同省が工事費と別枠で現場実証の経費を負担する。
公共工事の現場では、基準に盛り込まれず、精度が確立していない新技術を発注時点で採用することは難しい。受注者にとっても、自らの責任・負担による任意施工、従来技術との二重管理が求められるなど負担が増えるため、技術提案が消極的になる傾向がある。
国交省は、こうした現状が生産性を飛躍的に高める新技術を開発する際の障壁になっていることを懸念。新技術の現場導入までの期間を短縮する現場実証一体型技術開発事業で受注者側のリスク・コストの低減を狙う。
対象の新技術として想定されているのは、AI(人工知能)、ビッグデータ、インフラロボットなどを活用した新技術。公共工事費とは別枠の「新技術導入促進費」として関連経費を計上し、各現場で行う現場実証の費用に充てる。
現場実証では、対象技術が公共工事の品質を向上させるか、適用性が高いかを検証・評価する。評価結果の高い新技術は、同種工事に水平展開することを視野に入れている。