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住宅団地再生、運用円滑化へ指針策定 国交省

 国土交通省は8月1日、民間の住宅団地の建て替え・改修手法を検討する「住宅団地の再生のあり方に関する検討会(第2期)」の初会合を開いた。老朽化した住宅団地の再生を円滑に進めるため、住宅団地の建て替えへの再開発事業の適用、一団地認定の職権取り消し、団地型マンションへの敷地売却制度適用を後押しするガイドラインを検討する。都市郊外で開発され、空き家が増加している戸建て住宅団地の再生手法も議論する。

 同一敷地内にある2棟以上のマンション(総戸数おおむね50戸以上)を指す住宅団地は、全国のマンションストックの3分の1に当たる200万戸ある。このうち、旧耐震基準で建設されたものは50万戸に上っている。

 国交省は、2016年1月に検討会がまとめた提言を受け、16年6月に都市再生特別措置法を改正。住宅団地の再生に市街地再開発事業を円滑に適用できるよう、住民合意の要件を緩和した他、特定行政庁の職権で一団地認定を取り消すことができることを法令上明確化した。

 第2期検討会では、再開発事業適用時の要件緩和と一団地認定の職権取り消しが円滑に運用されるよう、モデルケースや制度適用の留意点を整理したガイドラインをまとめる。合わせて、マンション建て替え円滑化法に基づく「敷地売却制度」を団地型マンションに適用する仕組みを構築し、実務上の留意点をガイドラインとして整理する。

 いずれのガイドラインも17年度末までに策定し、18年度からは戸建て住宅団地の再生手法を検討。都市郊外のニュータウンなどで大規模に開発された戸建て住宅団地は、入居世帯の高齢化が進み、空き家の増加が深刻化しつつある。居住人口の維持、高齢者の居住継続などを後押しする予算・税制措置などを検討する。