▲写真は感謝状贈呈式、会議の模様
本県林業・木材産業の活性化や県産材利用促進に向けた活動を展開する「みやざき木づかい県民会議」(河野俊嗣会長=宮崎県知事)は2日、県産材利用や普及・啓発に功績のあった5者に感謝状を贈った。河野会長に代わって出席した鎌原宜文副知事は、受賞者の功績を称えると共に、県産材の更なる利用促進へ協力を求めた。
県産材の利用拡大や普及PR等で顕著な功績があった個人や企業・団体に贈られるもの。利用部門で▽社会医療法人同心会フィオーレKOGA看護専門学校▽山福宮崎支社▽﨑田恭平日南市長(日南市子育て支援センター)―の3者、普及・啓発部門で▽オビダラリー▽小林十七日会―の2者が受賞し、それぞれ事例を発表した。
利用部門で受賞したフィオーレKOGA看護専門学校(宮崎市)は、地元木材を使用した3階建の耐火木造建築。最先端の木構造技術であるKES構法を採用したほか、県産スギ材の腰壁やフローリングなど積極的な内装の木質化を図り、木の香あふれる学習環境を創出した。設計監理は岩切設計、施工はあなぶき加賀城建設。
一方、設計監理を岡﨑設計、施工を吉原建設が担当した山福宮崎支社のひむか食品工房(綾町)は、全国的にも珍しい木造の工場。岡﨑設計の岡﨑誠二代表は「周囲環境との調和や生産性の向上、快適な作業空間をポイントに掲げた」と話し、鉄骨造と比べて機能性やコスト面で遜色の無い工場建設が可能であることを強調した。
■平成29年度の取組計画など確認
同日に行われた総会では、平成28年度の取組実績や平成29年度の取組内容を事務局が報告。みやざき木づかい県民会議事業として、木育を推進するための情報収集活動や木工イロハ教室、高校生を対象とした木育事業やデザイン塾の開催、木育活動を支援する補助事業などに引き続き取り組むことを確認した。
総会では、会議を構成する各機関・団体・企業に於ける平成29年度の取組計画も確認。宮崎県建築士会は木材活用に関する研修会や青島ビーチパークの環境整備協力、宮崎県建築業協会は子供達を対象とした木工教室の開催、宮崎県建築協会は会員企業がそれぞれの事業で木材を積極的に活用していくことなどを示した。
会合で鎌原副知事は、会議に加盟する各者の協力により、県産材の地産地消や利用促進が公共・民間建築で着実に浸透すると共に、木と人との繋がりを再確認する木育活動も広がりを見せていることを指摘。これらが、資源循環型社会の構築や県内経済の浮揚にも繋がるとして、更なる動きの活発化に期待感を示した。