国土交通省は、2018年度の税制改正で、工事請負契約書・不動産譲渡契約書の印紙税に対する特例措置の延長を要望する。工事請負契約書と不動産譲渡契約書の印紙税は、14年4月以降、1億円以下の取引の税額を50%にするなど、大幅な負担軽減措置を講じている。17年度末の期限切れを控え、この軽減措置を20年3月末まで2年延長するよう求める。
工事請負契約書と不動産譲渡契約書の印紙税は、14年4月の消費税率引き上げを受けて、建設工事や不動産流通のコストを抑制する目的で17年度末まで特例措置が適用されている。
14年3月まで特例措置がなかった1000万円以下の契約で、税額を50%減額する措置を適用するとともに、1000万以上の契約でも、税額の軽減割合を2倍に引き上げる特例措置(20~50%減)を講じている。契約額1億円の工事では、14年3月以前の4万5000円から3万円に印紙税が減額されている。
国交省は、工事請負契約書の印紙税が重層下請構造の中で多段階の課税になることや、不動産流通での課税がエンドユーザーに転嫁されることを問題視。建設投資の促進と不動産取引の活性化を図るため、特例措置の延長を求める。
同省は18年度税制改正でこの他、訪日外国人旅行客に受益者負担を求め、国立公園の整備や、観光地の景観整備、温泉街・地方都市の活性化の財源に充てることを要望。空き地などがランダムに発生する〝都市のスポンジ化〟を防ぐため、所得税、法人税、固定資産税などに特例措置を創設し、低未利用地の活用や地域利便施設の整備を促す。
また、杭打ち、杭抜き、掘削・運搬に使用する建設機械に適用されている軽油引取税の課税免除について、現行措置の3年延長を要望する。