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ICT施工の初期投資 補助金・税制優遇で軽減

 国土交通省は、ICT施工に伴う初期投資を軽減する補助金や税制優遇の活用を中小建設業に呼び掛けている。経済産業省や中小企業庁が所管する補助金・税制優遇には、ICT施工に必要なICT建機やソフトウェアなどの購入費に対応しているものがある。これらの制度を利用し、ICT施工に必要なICTバックホウや点群処理ソフトウエアなどの購入費3000万円のうち、840万円を減額した事例もある。

 国交省が行った調査によると、直轄のICT土工を自社で行っている受注者は、起工測量で9%、3次元設計データ作成で28%、出来形計測の外業で17%、内業で27%と、いずれも外注する元請けが大半。一方で、3次元出来形管理などの費用は、少なくとも点群データ処理以降の内業を自社で行うと、追加費用を半減させることができるとの調査結果も出ている。

 ICT土工の積算基準では、建機のリース料や初期導入経費(メーカーの指導経費など)を負担することになっているが、企業の投資自体は積算に含まれていない。このため、国交省は、ICT建機などを対象とする補助金・低利融資・税制優遇制度の活用により、中小建設業に投資の早期回収を促す必要があると考えている。

 ICT建機の購入に活用できる補助金には「省エネルギー型建設機械導入補助金」がある。国交省が定める燃費基準値を超えていれば、建機購入費に上限300万円の補助を受けることができる。2017年度予算14億1000万円に対する執行率は12.7%(7月28日時点)と、予算額には十分な余裕がある状況。補助申請は販売業者が代行できるため、申請の手間を省略することもできる。

 中小企業経営力強化法では、経営力向上計画の認定を受けた事業者は、固定資産税や法人税の減免措置を受けることができる。16年度に建設業が申請し、認定を受けた経営力向上計画は1000件以上に上り、ICT施工関連の機器購入で税制優遇を受けた事例も多い。

《建機補助金・低利融資・税制優遇》