建設ネット企画画像 四角 四角

社保関連で相談4倍超、現場入場制限受け 国交省

 国土交通省は、公共工事の発注関係事務や元請け・下請け取引の実態を把握するために設置している「建設業フォローアップ相談ダイヤル」で、2017年度第1四半期(4~6月分)に前年同期の4倍を超える182件の相談を受け付けた。全体の8割を社会保険加入関連の相談で占めており、同省が4月以降に求めていた未加入企業・作業員の現場入場制限に関する相談が大幅に増えた。

 建設業フォローアップ相談ダイヤルは、品確法運用指針の本格運用に合わせ、15年4月に設置したもの。第1四半期の相談の内訳は、社会保険加入対策が146件、建設業法全般が17件、元請け・下請け関係が12件など。社会保険加入対策に相談が集中したことで、全体の相談件数が増えた。

 具体的な相談内容としては、常用労働者数によって加入する保険が異なる個人事業主の取り扱いに関する相談が目立った。元請けに「一人親方も社会保険に加入しないと現場に入場させない」と告げられた下請け企業が、個人事業主の加入義務について質問。国交省は、適用除外である常用労働者4人以下の個人事業主は、国民健康保険と国民年金に加入する必要があると回答した。

 個人事業主と下請け契約を結ぶ企業からは、労働者数の確認方法を尋ねる相談もあり、国交省は事業主への聞き取りや作業員名簿での確認を求めた。

 また、社会保険加入対策における警備業者の扱いを尋ねる相談には、同省の『社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン』の対象ではないとしつつも、警備業や運送業なども「法令によって加入が義務付けられている保険に適切に加入することは必要であり、建設業に準じて取り扱うよう、業界団体を通じて周知している」などと答えたという。

 相談ダイヤルの電話番号は0570―004976(マルマルヨクナロウ)。メールアドレスはhqt-kensetsugyo110@ml.mlit.go.jp。