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新庁舎建設基本構想で答申 門川町民審議会

 門川町新庁舎建設町民審議会(猪倉照央会長)は19日、安田修門川町長から諮問のあった「新庁舎建設基本構想」について答申を行った。提言では、来庁者の利便性や中心市街地との連携が図られるよう新庁舎の建設場所を決定することや、防災拠点機能や町民利用機能等を考慮した規模を確保することなどを求めた。今回の答申の内容等を踏まえ、町は近く基本構想を正式決定する。

 経年劣化や狭隘化等の課題を抱える役場庁舎を建て替えるもの。町がまとめた基本構想案では、▽ユニバーサルデザインに配慮した庁舎▽行政経営の効率化につながる庁舎▽町民の安全を守る防災拠点としての庁舎▽議会活動を推進する場▽無駄を省いた経済的な庁舎―の5項目を新庁舎建設の基本方針に設定している。

 建設場所については「地震による津波から被害を避けられる高台への移転が望ましい」との考えを示し、要件を満たす候補地を選定する。総事業費は概算で約30億円を見込み、財源に国の緊急防災・減災事業債を活用する予定であることから、地方債同意等基準運用要綱に基づき、新庁舎の延床面積は約5000m2と想定する。

 町民審議会の答申では、庁舎の位置及び敷地に関して「町内外からの来庁者の利便性を考慮し、中心市街地との連携を図ることのできる位置」「現在の敷地面積と同程度の規模を有する敷地」「用地費や造成費、建設費等を必要最低限に出来る町有地」「造成等に期間を有しない場所」であることを求めた。

 庁舎の規模等に関しては、基本的な機能のほか、防災拠点機能や町民利用機能などを考慮し、必要な機能を持ちつつも、組織改編等に対する自由度の高さや各諸室の適正なスペースを確保し、事務の効率性を重視するとともに、維持管理等が容易に行える、効率的かつ経済的で適正な規模の庁舎を建設するよう求めた。

 このほか、公平性・透明性・客観性に配慮し、豊富な経験や高度な技術力を持つ事業者が採用できる選定手法を採用し、地元業者の育成にも努めるよう求めたほか、財源に緊急防災・減災事業債を活用することを前提として、活用期限である平成32年度までに新庁舎を完成させるよう注文を付けた。

 答申の内容等を踏まえ、町は近く基本構想を正式決定する考え。基本構想を踏まえた基本計画策定業務及び基本・実施設計業務を発注する予定でいるが、発注方法や発注時期は現時点で明らかにしていない。計画が順調に進めば、30年度中に設計を完了させ、31年度より本体工事に着手し、32年度内の完成を目指す。

■指名型プロポで業者選定、オフィス環境整備計画

 門川町新庁舎建設室は、指名型プロポーザル方式で請負業者を選定する「新庁舎オフィス環境整備計画策定業務委託」に関して、対象各者に7月25日付で指名通知を発送した。8月17日まで参加表明書の提出を受け付けたのち、9月にプレゼンテーション及びヒアリングを行う。

 新庁舎の建設に際して、来庁者及び職員等にとって快適で機能的なオフィス環境を整備し、町民サービスと事務効率の向上につなげることを目的に、門川町新庁舎オフィス環境整備計画を策定するもの。業務の実施にあたっては、新庁舎建設基本計画及び基本設計・実施設計に有効に反映させる。

 具体的には、現庁舎の文書や備品等の現状把握、新庁舎の必要面積の算定、町民の利便性に最大限配慮した窓口レイアウト、諸室の配置の最適化を目標に、各個別要件について実施するものとし、新庁舎への移転完了までの支援を行う。