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8月に関係省庁申し合わせ 適正工期ガイドライン

 国土交通省は7月28日の「建設業の働き方改革に関する協議会」に、官民の発注者に適正な工期設定を促す「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」の大枠を報告した。ガイドラインでは、時間外労働規制に触れる長時間労働を強いることがないよう、週休2日や長時間労働是正に考慮した適正工期で請負契約を結ぶことを受発注者双方に求める内容。8月中に関係省庁の申し合わせとして決定し、関係業界に順守を求める。

 建設業には、今後改正する労働基準法の施行から5年の猶予期間を設けた上で時間外労働規制が適用される。建設業がこの規制に対応するためには適正な工期設定が不可欠。ガイドラインにより、全ての工事で適正な工期が設定される環境を整備する。

 国交省は28日の協議会に8月の最終決定に向けてガイドラインの『イメージ』を報告。受注者には、現場従事者の長時間労働を前提とした不当に短い工期を設定しないこと▽民間発注者に工期設定の考え方を適切に説明すること―を求める。発注者には、長時間労働是正や週休2日の確保に配慮し、施工条件を明確にした上での適正工期による契約の締結を求める。

 具体的には、施工前に労務・資器材の調達に充てる「準備期間」、施工終了後の片付けや自主検査に充てる「後片付け期間」、休日や作業不能日数(降雨、降雪、出水期など)を踏まえ、週休2日を考慮した工期を設定し、この工期を請負代金に適切に反映する。

 受注者には、『工期ダンピング』を禁止し、適正な施工が見込まれない工期で請負契約を締結しないよう求める。

 設計図書と現場状態が一致しない場合は、受注者・発注者双方が協議して適切に工期を変更する。長時間労働の是正、週休2日の実現に向け、現場のICT化、技能労働者の多能工化、プレキャスト製品の活用による生産性向上も図る。