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「官民一丸で長時間労働是正」 建設業の働き方改革

 政府は7月28日、民間工事の発注者、受注者などの関係団体を集めた「建設業の働き方改革に関する協議会」の初会合を開いた。野上浩太郎内閣官房副長官は会議の冒頭で、新国立競技場建設工事に従事した技術者が過重労働を苦に自殺したことに触れ「悲劇を2度と繰り返さないという強い決意で取り組む」と発言。「官民一丸で建設業における長時間労働是正や週休2日の確保を進めたい」と参加した関係団体に理解と協力を求めた。

 政府は、今年3月にまとめた働き方改革実行計画で、5年の猶予期間を設けた上で、建設業に時間外労働の上限規制を課すことを決めた。実行計画では、建設業の働き方改革を実現するために適正な工期、賃金水準の確保、週休2日の推進に対する発注者の理解と協力が不可欠だとし、民間発注者などを集めた協議会を設置するとしていた。

 建設業の働き方改革に関する協議会には、日本経済団体連合会や日本商工会議所の他、電力・ガス・不動産・鉄道などの主要な民間発注者団体に加え、労働団体、建設業団体が参加。

 野上官房副長官は民間発注者団体に対し「建設業の長時間労働の是正、週休2日の確保に向け、適正工期の設定や施工時期の平準化に理解と協力をお願いしたい」と訴える一方、受注者側の建設業団体に対しても、適正工期の設定や社員の適切な労務管理を求めた。

 国土交通省の根本幸典大臣政務官は「建設業の働き方改革を公共事業全般、民間工事に広めることが、将来においても円滑な施工体制の確保や生産性向上につながり、発注者にもプラスに作用するはず」と述べ、民間発注者に積極的な支援と協力を求めた。協議会ではまた、働き方改革に取り組む民間発注者に政府として支援措置を講じる考えも示された。

 参加団体は次の通り=▽日本経済団体連合会▽日本商工会議所▽電気事業連合会▽日本ガス協会▽不動産協会▽日本民営鉄道協会▽日本建設業連合会▽全国建設業協会▽全国中小建設業協会▽建設産業専門団体連合会▽日本労働組合総連合会▽日本基幹産業労働組合連合会▽全国建設労働組合総連合。